新時代は米中の貿易戦争で幕を開け、市場には下振れ圧力が高まっている。だが、悲観することなかれ。そんな過酷な条件下でも、爆上げが期待できる銘柄は常に眠っているからだ。今回、カリスマと呼ばれる相場師たちの厳選銘柄をこっそり聞いた。

◆景気後退局面でもファンダルメンタル分析で利益は出せる!
 過去数十年にわたる膨大な株価データを解析し、弱気相場にあっても、戦略的に利益を叩き出すことのできる「システムトレード」。平均売買代金や終値と移動平均線の乖離率など、いくつかの条件でスクリーニングをかけ、独自の“必勝パターン”を追求する投資顧問会社・フェアトレードの田村祐一氏は、現在の市況を「昨年10月の2万4000円台をピークに下落のトレンドに入ったと見ていい」と分析する。

「これまでは自分が欲しい銘柄を長く持っていれば勝手に上がる……という相場だったが、今後は、期待値の高い銘柄でも全体に引っ張られるため値下がりの圧力がかかり、銘柄選びはさらに難しくなるはず。そこで、重要になるのはテーマ選び。なかでも、クラウドシステムを手掛ける業界は今後も上昇が期待できる。これまでのシステム会社は、売ったら売りっ放しのフロー型だったが、開発したものを売り切るのではなく、月額課金制で企業に販売している会社が多くなっています。このところ、ようやくクラウドシステムの導入が本格化したため、今後の伸び代も大きく、大企業や官公庁に強いネットワンシステムズや、業務効率化ソフトウェアの草分けでもあるサイボウズ、さらには、激変の調剤薬局業界のシステム開発を行うイーエムシステムズは期待していい」

 厚生労働省によると、’16年度末時点の国内薬局数はおよそ5万9000店と、約5万5000店あるコンビニより多い。規制に守られ膨張し続けてきたが、薬剤師の人材不足や薬価引き下げなどの医療制度改革が進むなか、集約化が進んでおり、業界のクラウド化は喫緊の課題となっている。

◆機が熟したクラウド業界は下げ相場のトレンドでも力強く伸びる可能性大
「ほかにも、賃貸物件オーナーや商業施設向けにWi―Fiサービスを提供しているファイバーゲートは注目しています。訪日外国人が年々増加傾向にあり、’20年には東京五輪開催を控えていることから、Wi―Fi環境の整備が急務となっていることが背景にある。直近で業績の上方修正を行うなど事業環境は絶好調に推移。現在はマザーズですが、東証1部昇格を狙っているのでその勢いも買い材料だと思います」

 玉石混交の来店型保険代理店を運営する企業も要チェックのようだ。

アイリックコーポレーションは、個人個人に見合った保険をシステムで分析して提供しているユニークな会社で、セールスポイントはAIを駆使して最適化させたような検索システム。扱う商品に縛りはないから、顧客とウィンウィンになるかたちを実現させている。上場して間もないが、広告を仕掛け認知度も上がっており期待できる」

アイリックコーポレーションが全国193店舗を展開する来店型保険ショップ「保険クリニック」。独自に開発した保険分析・検索システムが好評を得ている

 大きく下がった銘柄のリバウンドを狙う戦略も有効だという。仕込み時のタイミングを計るのがよさそうだ。

◆田村祐一氏推奨銘柄
※株価などのデータ2019年7月3日終値時点

●イーエムシステムズ(東証1部・4820)
目標価格 3500円
 調剤薬局向けのシステム開発・販売を手掛けるイーエムシステムズは、現在、完全ストック型のビジネスモデルに転換中だ。田村氏は「今期の減収減益を境に、来期以降の業績は拡大する可能性が高いと判断していいでしょう」
現在株価     1654円
売買単位     100
いくらで買える? 16万5400円
予想PER      43.71倍
予想PBR      3.3倍
予想配当利回り  1.22%

ファイバーゲートマザーズ・9450)
目標価格 8000円
 商業施設や店舗向けのWi-Fiサービスや集合住宅向け入居者無料インターネットサービスなどを展開しているファイバーゲート。田村氏は「直近で業績の上方修正を行うなど事業環境は絶好調。まだまだ上昇が見込める」と分析する
現在株価     3105円
売買単位     100
いくらで買える? 31万500円
予想PER      70.69倍
予想PBR      27.46倍
予想配当利回り  0%

ネットワンシステムズ(東証1部・7518)
目標価格 6000円
 大企業を中心にセキュリティ関連製品、クラウド関連製品を販売しているネットワンシステムズ。大企業や官公庁に「強い」と言われ、セキュリティクラウドの導入はこれから本格化することから、同社の需要が拡大するという見方も
現在株価     3085円
売買単位     100
いくらで買える? 30万8500円
予想PER      28.4倍
予想PBR      3.81倍
予想配当利回り  0.99%

●ジャストシステム(東証1部・4686)
目標価格 7000円
 ワープロソフト一太郎」や法人業務システムを手掛ける。一太郎イメージから脱却を目指す業容拡大が期待される。田村氏は「小学校向け学習・授業支援ソフトの販売が順調に推移し、中長期で大化けする可能性も」
現在株価     3610円
売買単位     100
いくらで買える? 36万1000円
予想PER      38.49倍
予想PBR      5.47倍
予想配当利回り  0.16%

●サイボウズ(東証1部・4776)
目標価格 2500円
 業務効率化ソフトウェア「サイボウズOfficeシリーズなどを手掛ける業界の草分け。クラウド製品の需要拡大が進み、同社業績は順調に伸びており、会社予想に対する第1四半期決算の進捗率も高く、年初来高値更新中だ
現在株価     1349円
売買単位     100
いくらで買える? 13万4900円
予想PER      82.32倍
予想PBR      16.22倍
予想配当利回り  0.78%

アイリックコーポレーションマザーズ・7325)
目標価格 3600円
 来店型保険ショップを展開。保険分析・検索システムを活用した独自サービスが強みで、広告やイベントを積極的に行い、来客数増加。認知度向上による成長期に入っており、当面好調な展開が期待できそうな気配がひしひし……
現在株価     1507円
売買単位     100
いくらで買える? 15万700円
予想PER      47.68倍
予想PBR      ―倍
予想配当利回り  0%

【田村祐一氏】
投資顧問会社フェアトレード・運用部長。統計データを重視した「システムトレード」とファンメンタルを組み合わせて、戦略的な銘柄分析を行っている
― 激動の令和ドリーム銘柄 ―

イラスト/渡辺貴博