JR線の普通列車が乗り放題の「青春18きっぷ」。これを利用する上での条件や、購入できる期間、使える期間、乗れる列車、2人や3人といった複数人で使えるかなど、基本的なポイントをまとめました。

「青春18きっぷ」ポイントは利用できる列車や期間

JR旅客6社が発売しているお得なきっぷのうち、特に有名なのが「青春18きっぷ」。2019年の冬も、12月1日(日)から販売が始まりました。12月10日(火)より利用できます。

価格は今回、1万1850円から1万2050円に改定されました。消費税率が8%から10%へ引き上げられたことに伴うものです。

青春18きっぷ」のおもなポイントは、次の5つです。

全国のJR線などが乗り放題

青春18きっぷ」は、全国のJR線の普通列車(快速を含む)とJR東日本のバス高速輸送システム(BRT)、JR西日本宮島フェリーが利用できるきっぷ。1枚のきっぷに5回分がセットになっていて、1回分でひとりが1日中、自由に乗り降りできます。

発売額は1万2050円(大人・子ども同額)で、1回分は2410円。所定の運賃で2410円以上かかる駅に行くなら、「青春18きっぷ」を使うほうがお得です。たとえば、普通列車東京駅から静岡駅まで移動するときに「青春18きっぷ」を使うと、通常の片道乗車券3410円)より1000円安くなります。

利用できるのは普通列車の普通車自由席だけ

「青春18きっぷ」利用できる列車と期間

利用できる列車は普通列車だけ。新幹線特急列車は、特急券を追加購入しても乗れません。普通列車で利用できる座席も、普通車自由席に限られます。普通車指定席は指定席券を、グリーン車自由席はグリーン券を追加購入すれば乗れますが、グリーン車指定席はグリーン券を追加購入しても乗れません。

春、夏、冬の3シーズンのみ発売

利用できる期間は春、夏、冬の3シーズン。2019年冬シーズンは、発売期間が12月1日から12月31日(火)まで。実際に利用できる期間は、12月10日から2020年1月10日(金)までです。1月1日(水・祝)以降に利用する場合は、あらかじめ12月31日までに買っておく必要があります。なお、冬シーズンに買った「青春18きっぷ」を次のシーズンで使うことはできません。

青春18きっぷ」はJR駅の「みどりの窓口」や、おもな旅行会社などで販売されています。列車内で購入することはできません。無人駅から使い始める場合は、事前に別の駅の「みどりの窓口」などで購入しておく必要があります。駅に設置されている指定席券売機でも買うことが可能です。

「青春18きっぷ」さまざまな使い方

「連続」「飛び飛び」「複数人」どれもOK

青春18きっぷ」の券面には、スタンプを押すスペース(5回分)があります。駅の改札で駅員にスタンプを押してもらうと、その日1日利用できます。無人駅から乗車する場合は、乗務員に申し出れば押してもらえます。その後は券面のスタンプを駅員や乗務員に示せば途中下車が可能。自動改札機は通れません。

利用できる期間内なら、ひとりが5回分を連続で使うのはもちろん、12月21日12月26日12月29日1月3日1月10日というように利用日が飛び飛びでも使えます。また、全員が同じ行程なら、複数人で使うことも可能。たとえば、5人グループの日帰り旅行で5回分を一度に使うということが考えられます。

特例やオプションも

このほか、一部の区間で第三セクター鉄道や特急列車を利用できるなどの特例が定められています。区間や列車によって利用条件が異なり、その詳細は「青春18きっぷ」購入時に付いてくる案内の紙に記されています。

ちなみに、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(2490円)というきっぷも販売されています。これは「青春18きっぷ」と併用する場合に限り使えるオプション券。1枚につき片道1回だけ、奥津軽いまべつ~(北海道新幹線)~木古内~(道南いさりび鉄道線普通列車)~五稜郭間を乗車できます。北海道新幹線では、普通車指定席の空いている席に座れますが、事前に予約することはできません。有効期間は1日だけです。

「青春18きっぷ」は全国のJR線を走る普通列車を自由に乗り降りできる(2017年6月、草町義和撮影)。