高良健吾の主演映画「アンダー・ユア・ベッド」の完成披露上映会が行われ、高良をはじめ、西川可奈子、安部賢一、三宅亮輔、安里麻里監督が舞台あいさつに立った。

【写真を見る】高良健吾がベッドの下に潜り込んで過ごし始める三井を演じる映画「アンダー・ユア・ベッド」

本作は、学生時代とは別人のように変わり果てた同級生・千尋(西川)を取り憑かれたように監視し、自宅のベッドの下に潜り込んで過ごし始める三井(高良)の姿を描く物語。

まずは、高良が「個人的には、30代最初の年の作品になったので、いろんな思いが詰まって、自分ではあまり思ったことないような欲、『結果が欲しいな』と思った、自分の中では不思議な現場でした。やっと公開されることになりうれしいです」とあいさつ。

オファーを受けた裏話を聞かれ「久しぶりに10代後半に演じてきた、ヒリヒリした痛々しい役が来たなと思いました。30代になってどう表現できるかが楽しみ」と語った。

安里監督はキャストを決める前から高良をイメージしていたと言い、「三井というキャラは繊細で不安定な人物なので、あえて顔のいい人に振り切った演技をさせることをやってみたい。実を言うと、イケメンを汚してみたいと思っていました。ごめんね高良さん、初めて白状する(笑)」と明かした。

続けて、千尋役について聞かれた監督は「オーディションにたくさんの魅力的な人がいる中、西川さんを一目見たときに、あどけなさのような感覚が見えて、どんなに過酷なことがあっても心が汚れない人…永遠に擦れない人だと感じて、西川さんが千尋を演じてくれたら、彼女だからこそ出せる切なさや切実さが生まれるような気がして決断しました」と振り返る。

対する西川は「今までに感じたことのないオーディションだったんです。すごく居心地がよくて、きっとリラックスさせてくれたんだろうなぁって思いました。終わった後も絶対に受かりたいって気持ちがあふれて、決まった時はすぐに母親に電話しました(笑)」と語った。

千尋に暴力を振るう夫・健太郎を演じた安部は「気持ちが入ってしまって…」と言うと、西川は「段取りにないビンタが何発あったことか。でも、それがあってリアリティーのあるリアクションがとれたのでありがたかったです」と振り返る。

「そんなやり取りを高良さんはベッドの下でご覧になっていたんですね(笑)」と聞かれた高良は「見てましたねー。軋んでいました。ベッドの下ってこんな感じなんだなぁって(笑)」と言って笑わせた。

続けて高良は「この作品をやるからには覚悟を決めていたんですけど、ここまでやるのかって思いました。最近はこういう痛々しいものとか隠して伝えるのに、この映画の現場に入った時に全部見せていくんだなって分かって、面白いなぁって思いながらもベッドの下にいました」と語った。

その後、サプライズとして、高良から西川に、安部から安里監督に花束が贈呈。

もう一つのサプライズとして原作者・大石圭のメッセージが読み上げられることに。今回の上映会にも足を運んでいて、3回目の鑑賞となったという。

「映画と小説とはまったく別のものと思っている。映画には時間の制限があるから小説のすべてを表現することは不可能なのだ。だから、小説で表現したかった全てを映画で表現してほしかったっと思うことはなかった。

しかし、この『アンダー・ユア・ベッド』は違っていた。この映画には僕の表現したかったことすべてが、ほんの少しも端折られることもなく、完全に凝縮されていた。

高良さん、西川さん、安部さんが実際に演じたことで映画は小説よりさらにすごみのあるものになったと感じる。多くの方にこの作品を見てもらいたい」と読み上げられると、場内から拍手が巻き起こった。

それを聞いた西川は涙ぐみながらも「原作と映画の千尋はどこか違うところがあると思うのに、原作者の大石先生にこう言っていただけることが本当にうれしいです」と喜びを聞かせた。

最後に安里監督は「私が言いたいのは、この作品は見返りを求めない愛の物語だと思っています。内容はハードだし重いかもしれないけど、逃げずに隠れずにちゃんと向き合って撮ったからこそ伝わるものが詰まっているものと思います。みんなで作ったこの思いが皆さんに刺さるといいな思います」とアピール。

高良は「この作品は包み込むものじゃなくて、見ている人を傷つけるところもあると思うのですけど、僕自身も映画に傷つけられて初めて感じることは未だに残っていて、それがどこか自分の支えや助けになってくれているので、ぜひ楽しんでください」と語り、イベントは幕を閉じた。(ザテレビジョン

映画「アンダー・ユア・ベッド」の完成披露上映会が行われ、主演の高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三宅亮輔、安里麻里監督が舞台挨拶に立った