【カンタンにいうと…】
・東京ドームシティアトラクションズで働いていた、元『司会のお姉さん』がTwitterでハラスメントを告発。
・事実確認の結果、東映側は従業員によるハラスメントを認め、謝罪文を公開。
・今後は従業員のハラスメント講習や定期的な聞き取り調査を行うと発表した。
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2019年6月23日、東京都文京区の東京ドームシティアトラクションズ内にある、屋内劇場『シアターGロッソ』で働いていた、役者の中山愛理さんがハラスメントを告発。
中山さんがTwitterへ投稿した内容によると、中山さんは同年5月に『司会のお姉さん』を卒業するまで、ヒーローショーの現場でセクハラやパワハラを受けてきたといいます。
・挨拶を無視したり、握手会中に水をかけて妨害したりするパワハラを受けた。
・男性器のあだ名をつけられたり、すれ違い様にお尻を揉まれたり、相手を避けられない空間での卑猥な質問、胸を触るなどのセクハラを受けた。
・そういったハラスメントに1年の間耐えていたら、突然「力不足なのでもう来なくていいです」といわれた。
・会社からは「余計なことを誰かにいったら、もうお前に仕事を振らない」と強くいわれた。
・性的な嫌がらせに対し、気にしていない、怒っていないフリをし続ける必要があり、胸を張って子どもたちの前に立つことがつらかった。
・「性的な嫌がらせを気にせず、笑って流せるのがよくできた女」「パワハラやセクハラはただの冗談」「そういう業界だから仕方ない」と何度もいわれた。
ヒーローショーの『お姉さん』がセクハラを告発 想像を絶する内容に怒りの声
投稿はまたたく間に拡散され、ネットからは「事実なら許しがたい」「子どもに夢を与える立場の人が、こんなことをしているなんて」といった怒りの声が相次ぎました。
その翌日、株式会社東映エージエンシーとヒーローショーを制作している東映株式会社は、急ぎ騒動の事実確認をすることをウェブサイトで発表しました。
『ヒーローショーセクハラ騒動』に東映と東京ドームシティが謝罪
同年7月6日、株式会社東映エージエンシーと東京ドームシティが、ウェブサイトで騒動についての情報を更新。
事実関係の調査を行ったところ、株式会社東映エージエンシーの社員1名のほか、同社の委託先会社に所属するスタッフ等の計6名によりハラスメント等が行われていたことが確認されたといいます。
今回の騒動を受け、東映エージエンシーはこのようにコメントしています。
東映エージエンシー ーより引用当社としましては、ヒーローショーを制作する会社としての責任を重く痛感し、被害を受けた方の訴えを真摯に受け止め、ハラスメント等を行ったスタッフに対し、今後その関与の度合いに応じた厳粛な処分・対応を行います。
被害を受けた方から名前があがりました当社社員に関しては、現在開催が予定されているヒーローショーの制作に関与させないことといたします。
当社及び東映株式会社で協議の上、被害を受けた方のご意見も取り入れ、今後の具体的な対策として、以下のことを行ってまいります。
ヒーローショーに関わるスタッフが事前にハラスメント講習を受講することを必須とし、ハラスメント等が起きないよう継続的な教育プログラムを作成いたします。
併せて、ヒーローショーに関わる全てのスタッフが匿名で相談可能な外部窓口の設置、第三者による現場における定期的な聞き取り調査等を行うことにより、ヒーローショーを楽しみにしてくださるお客様やスタッフが安心してショーに参加できる環境づくりに努めてまいります。
また東京ドームシティ側は、従業員の関与はなかったものの、これまでハラスメントが行われる環境を看過してきたことを謝罪しました。
東映側の謝罪を受け、被害を訴えた中山さんは、Twitterでこのようにつづっています。
皆様にご報告させて頂きます。
— 中山愛理 (@EriNakayamaEri) July 6, 2019
先日、東映様より聞き取り調査があり、事実確認後に現時点での報告と謝罪を頂きました。
まだ最終的な報告ではありませんが、現場の環境改善を約束して頂きました。
応援、励ましのお言葉本当にありがとうございます。
東映側の報告に対し、ネット上からは「こんなの集団いじめじゃないか」「うやむやにせず、事実を認めて謝罪したのは本当によかった」「この訴えによって現場の環境がよくなるといいな」といった声が続々と上がっています。
ヒーローは子どもたちに夢を与え、正義とは何かを教えてくれる存在です。そういった仕事に関わる人が卑劣な行為をしたことに対し、今回の騒動では特撮ファンだけでなく、多くの人から怒りの声が上がりました。
中山さんの勇気ある訴えと東映側の対応によって、今後、つらい思いをする人が減ることを祈るばかりです。
[文・構成/grape編集部]
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