この記事は「広報新宿 令和元年7月5日号(第2288号)『神田川に行こう』」を紹介し、コメントしたものです。

広報新宿 令和元年7月5日号(第2288号)

 各自治体の広報紙を見ていると、目を疑うほど驚く情報に出会うことがあります。今回、東京都新宿区の広報紙『広報新宿 令和元年7月5日号(第2288号)』に見つけた記事「神田川に行こう」が、まさにそれでした。この記事には、ただ神田川に「行く」だけではなく、「入ろう」というイベントまでもが告知されていたのですから。

 神田川と聞くと、ある年代以上の方は有名なフォークソングを思い起こすことでしょう。銭湯の風呂上がりに、寒い中ずっと恋人を待っていた…というエピソードとともに、都会で同棲する若者の決して豊かでない生活が歌われていました。そう、この神田川は「都会」の象徴的存在。東京都の西側に位置する三鷹市・井の頭恩賜公園にある井の頭池に端を発し、やがて東側の隅田川に合流するという、都内を横断していく川なのです。

 そんな神田川に入れるとは…。実はこの神田川には川に降りられる「親水テラス」が設けられており、夏休み期間中の一定期間、この「親水テラス」を開放するのだとか。「親水テラス」は、コンクリートで固められた護岸に階段がつけられ、川に降りられるように設計されたもの。川の深さは約20cmで、子どもでも入れるようにできています。上方を電車が走っていくのも見られる、まさに都心の遊び場です。

 こんな都会の川に入って大丈夫なのだろうかと、だれもが思うことでしょう。あの「神田川」の歌が流行った頃は、どこの河川も公害が問題になっていましたから。しかし、心配は無用のようです。神田川には今年もアユが遡上し、水辺環境が保全されていることが確認できたと、記事で報じられていました。そして、川に入るとエビやウキゴリなどの水中の生き物を観察できるとも。見渡せばコンクリートばかりの地域にあって、本当に自然の力には驚かされます。

 都会に暮らしてると、アスファルトの隙間で咲く花や、ビルの合間から見える虹…といった、ちょっとした“自然”の姿に心打たれます。人間には、こうした自然の恵みが必要なのだなと改めて思ったりします。私もきれいになり、自然の営みが戻ってきた神田川で、生き物と戯れたくなりました。いい大人ではありますが。

提供:マイ広報紙