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死んだはずの人間が葬儀の最中に突然息を吹き返す。聖書などでは知られるエピソードだが、ごくまれに現代でもそうしたニュースがまれに報じられることがある。しかし、その表現を額面通りに受け止めるのは考え物。裏に何らかの事情が隠されているということはないだろうか。

 

■葬儀の最中に遺体の手足が…

インドのウッタルプラデーシュ州ラクナウ市で、先月21日、20歳の青年が事故で瀕死の重傷を負った。ある民間病院に救急搬送された彼は、意識不明のまま10日が過ぎた今月1日、医師より死亡を宣告されたという。

悲しみの中、ただちに営まれた青年の葬儀。しかしその最中に死んだはずの青年が手足を動かし、遺族と葬儀に参列した人々を仰天させた。

 

■インドに多い葬儀中の死者覚醒

「死者覚醒」という仰天ニュースがたびたび報じられているインド。「土葬の寸前に目を覚ました」、「あるいは火葬の熱に驚いて飛び起きた」という例まである。

だが、いずれもお騒がせ目的のフェイクニュースなどではない。心拍数や血圧のモニタリングがなされない中、意識もなく息も脈も大変微弱なために「死亡」と誤診された人たちばかりなのだ。

また、インドの蒸し暑い気候と不衛生な環境がさらに状況を悪くさせている。死者を早めに埋葬する必要があるため、インドでは死亡宣告後ただちに葬儀が営まれ、まだ生きているのに火葬(土葬)などという誤ちが起きてしまうという。

■「医は算術」と割り切る病院も

今回のケースはそれらともやや異なるものであった。治療や入院の費用が日本円にして110万円に積み重なったところで、青年の家族は思わず「もうお金がない」と吐露。医師はそのすぐ後に、ロクに確認もせず青年の死亡を宣告していた。

家族の財力が尽きたら医療行為をストップという冷酷な方針は、青年の主治医ひとりのものか、それとも病院全体のものか。同様の例が過去にもあった疑いを視野に入れ、現在ウッタルプラデーシュ州の保健当局がその病院の立ち入り調査を行なっている。

 

■家族は心的外傷後ストレス障害に

青年の兄は担当医師への不信感や苛立ちをあらわに、『Hindustan Times』の取材にこのように述べている。

「葬儀中に手足を動かした弟は病院に運ばれ、すぐに人工呼吸器のサポートなどが始まりました」

 

「危険な状態ではありますが、少なくとも反射神経が働いており、脳死の状態でもないことがわかっています」

 

「悲しみ、動転、恐怖といった感情をジェットコースターのように経験させられ、家族の中にはトラウマを発症した者もいます」

 

■医者を信用しない人は約3割

しらべぇ編集部では全国20〜60代の男女1,363名を対象に「医師への信頼度」について調査したところ、全体の7割は信頼していると答えた一方で、3割が医師への信頼度が低いことがわかった。医師への信頼

今回の事件のように、儲けたいという本音が見え隠れするような医師も信頼できない。せめて診察や治療だけは、丁寧で誠実かつ真剣であってほしいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2018年8月31日~2018年9月3日 
対象:全国20代~60代の男女1,363名(有効回答数)

葬儀中に生き返った20歳男性 医師の死亡宣告に秘められた許しがたい事実