ミュージカル『テニスの王子様』 3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編が、2019年7月11日(木)より東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開幕する。

【写真を見る】「お互いの試合の作り方が違うからこそ、すり合わせてより良いものを作りたい」という前田隆太朗と井澤巧麻

最終章となる今作の舞台は、青学(せいがく)こと青春学園中等部vs立海大学附属中学の決勝戦。立海は「常勝がおきて」の全国2連覇を誇る強豪校。全国大会予選の関東大会決勝戦で青学(せいがく)に敗れた立海だったが、部長の幸村精市(立石俊樹)が病気から復活を遂げ、全国3連覇に向けて再び青学(せいがく)の前に立ちはだかる。

テレビジョンでは、大久保樹と中島拓人が演じる青学(せいがく)の桃城・海堂ペアとダブルスで戦うこととなる、柳蓮二役・井澤巧麻と切原赤也役・前田隆太朗の二人を直撃。全3回にわたるロングインタビューをお届けする。

第2回では、ダブルスを組むにあたって気付いたお互いの試合の作り方の違いや、今回の公演で楽しみにしていることについて話を聞いた。

■ 互いの視点が違うからこそ生まれる信頼

――お互いの魅力など、今回ダブルスを組んで気付いたことがあれば教えてください。

前田隆太朗:改めて気付いたことは、完璧だと思われている巧麻が案外ポンコツだったってことです(笑)。覚え方が反復方式だから、何度も何度も同じことを繰り返してやっと覚える。

井澤巧麻:そうですね。

前田:僕はその場の覚えは良いんですけど、次のタイミングで忘れちゃったりとかが多いんです。例えば、巧麻が打つ番の返球を自分が打って、「あ、ここ巧麻の番だったな」って。ずっとシングルスだったから、全部自分で打ち返しちゃうんですよね。でも巧麻は、“ここで誰が打ち返して、こう動いて、こう返ってくる”っていうラリーの演出の詳細がびっしり書かれた紙をポケットに入れておいて、ラリーが始まる前にそれを一度見て確認するんですよ。

――まさに柳が得意とするデータテニスですね。

井澤:そうなんです。ただ、データが脳じゃなくてポケットに入ってるんです(笑)。

前田:だから打つ前に紙を見て確認するから、ちょっとテンポが遅くて(笑)。でもそうやって、何度も繰り返し見て覚えるから、頑張り屋さんというか、案外地道に努力をするんだなって気付きましたね。

井澤:隆は、全体を通して勘が良くて飲み込みも早いから、ラリーとかでも演出に求められていることがすぐできるので、その点は安心していますね。

前田:「その点は」ってそこだけみたいじゃん!(笑) 他には?

井澤:あ!(笑) あとは…そうだなぁ、お互い原作の捉え方が違うかも…でもこれはなぁ…。

前田:言いよどむなら二人の時に言ってよ(笑)。あれでしょ、構図とかでしょ?

井澤:(うなずく)関東立海公演の時に対戦した、(青学[せいがく]9代目・乾 貞治役・)加藤将くんとのやり方は、「原作の(構図の)角度とかを再現したいね」って話し合って、原作をより忠実に再現することをやっていたので。

前田:僕は、原作の漫画(の構図)はたまたまそこに映された角度だと思っていて。巧麻は原作を忠実に再現しようとして、原作を出してきてここはこの角度だから…って。こだわりが強いんで、僕が大人になってあげた方がいいのかなって。

井澤:(笑)。今まではそれぞれシングルスで試合を作っていたので、お互い作り方が違うんだよね?

前田:僕は原作の印象的な部分を抜粋して、舞台ならではの見せ場に部分的に落とし込んで、お客様に気付いてもらうっていうのが理想で。巧麻は、表情とかポーズとかも緻密に1コマ1コマ忠実に追っていく。それが悪いこととは思わないので、お互いすり合わせて、良いところを取っていけたらいいなと思いますね。

■ 地方遠征で楽しみなこと

――今回の公演全体で楽しみにしていることについてお聞かせください。

前田:地方公演で、立海のメンバー全員でおいしいご飯を食べられたらいいよね。

井澤:そうだね。関東立海公演の時は、地方公演の最終日に立海のメンバーで集まって公演について話し合うことをたまにやっていたんですけど、今回は全地方でやりたいねって話をメンバーとしていました。なので、それが楽しみですね。

前田:えっウソ、僕その場所にいた?

井澤:いたよ〜!!

前田:ちょっと覚えてないな…(笑)。

井澤:体で覚えて(笑)。(ザテレビジョン・取材・写真:岩永聡美)

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