俳優の渡辺謙が10日、都内で行われたミュージカル『王様と私』の囲み取材会に出席した。王様役の渡辺は、アンナ役のケリー・オハラについて「一番尊敬する女優さん。舞台ではほとんどノーサインでやっている感じ」と絶大の信頼を寄せた。

【写真】“人生の中でもベストなコラボ”渡辺謙とケリー・オハラ

 1951年に初演となった『王様と私』は、トニー賞で最優秀作品賞を含む4部門を受賞したミュージカル黄金時代の傑作。2015年、バートレット・シャーの演出でリバイバル上演され、ケリーはトニー賞ミュージカル部門の最優秀主演女優賞を受賞、渡辺も日本人初の最優秀主演男優賞にノミネートされ、話題に。そして今回、日本来日公演の幕が上がる。会見には渡辺とケリーのほか、演出を担当するバートレットが登壇した。

 渡辺は「ケリー・オハラを日本の皆さんにお見せできることが実現してうれしい。短い期間ではありますが、上演できるのは誇りのようなもの」と喜んだ。ケリーも「日本に来られたのも、渡辺さんとご一緒できるのも名誉だと思っている。期待に応えられるよう、楽しみにしている」と万感の思いのようだ。

 『王様と私』のステージで培われた2人の信頼関係は絶大で、渡辺は「ケリーは素晴らしいシンガーですが、一番尊敬する女優さん。舞台ではほとんどノーサインでやっている感じ。何を投げても受け止めてくれて、いい球も返ってくる」とほほ笑む。ケリーも「渡辺さんは真の役者さん。ほかの王様とも演じたこともありますが、渡辺さんのパッションはほかに感じたことがない。特別な王様で、今までにない王様。愛しているし、尊敬、尊重している。人生の中でもベストなコラボ」といい、相思相愛の仲だった。

 また、渡辺は日本のエンターテイメント業界を牽引してきたジャニー喜多川氏の訃報についてもコメント。ジャニー氏とは「残念ながらお会いしたこともお仕事をしたこともない」が、「日本のエンターテイメントの中で、いち早く海外の空気を日本に輸入されたと認識している。すごく革新的、時代を先取りしたプロデュース能力はすごい。本当はお仕事してみたかったけど、すごく残念です」と悼んだ。そして「同じエンターテイメントの人間としていろんな形で業界を底上げしたい」とも話した。

 ミュージカル『王様と私』は7月11日から8月4日まで東急シアターオーブ(渋谷・ヒカリエ11階)にて上演。

ミュージカル『王様と私』囲み取材に登場したケリー・オハラ、渡辺謙 クランクイン!