蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努らが出演する中野量太監督最新作「長いお別れ」が、6月27日7月13日(土)まで台湾で開催されている第21回台北映画祭、アジアン・プリズム部門に正式出品され、中野監督が映画祭に参加した。

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同作は、直木賞受賞作家である中島京子の同名小説を映画化したヒューマンドラマ。ゆっくり記憶を失っていく父と家族の、お別れまでの7年間を描く。

■ 中国語での挨拶に会場も大盛り上がり!

上映一回目となる7月5日、チケットはすぐにソールドアウトに。同イベントにて舞台挨拶を行った中野監督は、事前に地元の主要媒体の囲み取材に出席。「台湾で好きな俳優はいますか?」との質問に「グイ・ルンメイが好きです」と回答。翌日の新聞には、その発言が一面に掲載されていた。

そして、温かい拍手に迎えられて舞台挨拶に登壇した中野監督。一生懸命覚えた中国語で「私の名前は中野量太です。マンゴーかき氷が食べたいです」と挨拶。「マンゴーかき氷マンゴーピン」と発言すると、場内は大爆笑となった。

質疑応答では、映画の登場人物やテーマについての質問が上がる中、「『長いお別れ』は空画が特別印象に残る作品でした。特に空の映像がきれい。空画が入るテンポがとても心地よかったのですが、意識されているのですか?」という質問が。

中野監督は、「この質問は初めてなのでうまい答えが用意できないのですが、意図的に行っているのではなく、編集のリズムでそうなっていきました」と明かした。

最後に、「おいしいマンゴープリンのお店を教えてください」と呼び掛けると、再び大爆笑が起こった。

■ 中野監督「口コミよろしくお願いします」

上映2回目の7月6日もチケットはソールドアウトとなり、再び舞台挨拶に登場した中野監督。質疑応答前、会場に集まった観客は「監督の前々作『チチを撮りに』、もしくは前作『湯を沸かすほどの熱い愛』を見た人?」という質問に、3分の2が手を上げ、中野監督の台湾での人気ぶりがうかがえた。

中野監督は、「台湾では7月26日(金)から公開されるそうですが、翌日の7月27日(土)は僕の誕生日です。なので、台湾は公開日から満席でしたよ!という報告を受けるために、皆さん、口コミをよろしくお願い致します!」とアピールした。

その後、場所を移しサイン会を開催。ほぼ全員が参加し、サイン会は大行列となった。上映のチケットにサインを求める人、わざわざ色紙を持参する人、配られた台湾チラシにサインを求める人などさまざまだったが、中には「湯を沸かすほどの熱い愛」のポスターにサインを求めるファンも。

大盛況の中舞台挨拶を終えた中野監督は、現地の配給会社と「台湾との合作映画を作りたいですね!グイ・ルンメイに出てもらって(笑)」と話し、今回の渡航は終了した。

同作は日本での公開から1カ月以上たつが、各地ではいまだ満席が続出し、ロングランとなっている。

■ 「長いお別れ」あらすじ

父の70歳の誕生日。久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった。それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気づき前に進んでいく。

ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは…。(ザテレビジョン

台北映画祭に出席した中野量太監督