痴漢(deeepblue/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

警視庁によると、2017年に起きた東京都内での痴漢(迷惑防止条例違反)は、約1,750件、強制わいせつは約700件。卑劣な行為が頻繁に発生しているわけだが、今回はJR横浜線の車内で事件が発生。しらべぇ取材班は、関係機関を直撃した。

 

■「好みの子だった」

神奈川県警緑署は、8日相模原市中央区在住の会社員の男(29)を、強制わいせつの疑いで逮捕した。男は8日午前7時37頃から7時51分頃にかけて、JR横浜線淵野辺駅から長津田駅までの間を走行中の電車内で、高校3年の女子生徒(17)の下半身を触ったり、下着に手を入れるなどわいせつな行為をしたという。

女子高校生は途中で電車を降り、乗る場所を変えるなどしたが、男は後をつけて犯行に及んだ。警察によると、男は容疑を認め「好みの子だった」「これまで10件くらいやっている」と供述しているという。

 

■「すごい悪質」と怒りの声

犯人の卑劣な行動に対し批判の声があがっている。

「これ普通の痴漢事件と違うよね。すごい悪質、実刑だね」

 

「顔認証で、全国の改札口からシャットアウト出来たら良いのに」

 

「顔写真のポスターを駅のあちこちに貼っとこ」

 

「そこまでやる人間だから多分100件の間違いだと思います」

 

■学校で痴漢対策の指導は行われず

生徒の登下校時の指導なども担当する神奈川県教育局指導部保健体育課は、しらべぇ取材班に対し「県内の学校では年1回防犯教室を実施。

警察や専門家を呼んで『身を守る』指導を行なっている。この教室の目的は、不審者による事故の予防、特殊詐欺の加害者にならない危機管理の向上。痴漢対策に特化した研修は行っていない」と回答した。

深刻な被害が毎日のように報道され、通学時に潜む卑劣な犯罪であるのに、痴漢被害に関する指導は行われていない現状が浮かび上がった。

 

■「痴漢魔が好む乗車位置」も存在

それでは、痴漢に遭わないためにはどうしたらよいのか。「女性の安心ライフnavi」を運営するセコムによると、電車の中でも特に注意が必要な場所として次の3つが挙げられるという。

・大きな駅の改札口に近い車両

→痴漢にとって逃げ道が作りやすい

 

・車両の端(連結部に近いところ)

→奥まった場所で、被害者にとって逃げ場がなく、ほかの乗客の目が届きにくい

 

・ドア付近

→一番混雑する場所なので、接触が容易。特に、急行・快速など停車しない区間が長い場合や、停車しても開かないドア付近は要注意

 

また、具体的な対策としては、行動パターンを変えてみる、電車では女性専用車両があれば利用する、防犯ブザーを持つ、スキのない女性を演出、危ないと思ったら携帯電話やスマートフォンの着信音を鳴らすなどを挙げている。

 

■「痴漢を許さない社会」に

もちろん、痴漢を注意し予防することは大切だが、そもそも女性が肩身の狭い思いをしなければならないのがおかしい話。それを防ぐためにも、「痴漢は絶対に許さない」という社会を作り上げることが最も重要なことなのかもしれない。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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