ANAが、国際線の主力機種であるボーイング777-300ER型機の機内を一新。「ホテルで過ごすような空間」を目指したというファーストクラス「ザ スイート」は、4K対応の巨大モニター、全席ドア付きなど、ハイグレードな空間になっています。

4K対応、機内パーソナルモニターとしては世界初!

ANA(全日空)が2019年7月11日(木)、国際線の主力機種であるボーイング777-300ER型機の機内仕様を一新すると発表。その機内(機番:JA795A)を報道陣に公開しました。

新仕様のボーイング777-300ER型機は212席で、内訳はファーストクラス8席、ビジネスクラス64席、プレミアムエコノミークラス24席、エコノミークラス116席です。

ファーストクラスシートは新しく開発されたもので、その名も「THE Suite(ザ スイート)」。「ホテルで過ごすような空間にしたい」との願いを込めたといいます。

広さはANA最大という、全席にドアが付く個室スタイル。横に1-2-1席の配置で、中央の2席は可動式の仕切りを動かすことにより、ペアでの利用にも対応します。シートのクッションには、西川(東京都中央区)と共同開発した立体構造ウレタンを使っているそうです。

モニターは43インチと、従来の23インチから大幅にサイズアップ。機内のパーソナルモニターとしては世界初という、4K対応のフルHD画質なのも特徴です。4K対応の番組は、まずビデオコンテンツから始まり、将来的に映画にも拡大するとのこと。

事前にANAアプリで機内プログラムを確認し、「お気に入りリスト」を作成のうえ、機内でスマートフォンをモニターに接続すると、「お気に入りリスト」のプログラムを再生できるサービス「MY SKY CHANNEL」にも対応。モニター上で照明やリクライニングの調整もできます。

青から茶色に変ったワケ

今回の機内一新は、建築家の隈 研吾さんが総合監修を担当。ANAボーイング777-300ER型機のファーストクラスは従来、青がベースカラーでしたが、新しい「ザ スイート」は木目調です。

「日本の建築空間の良さを出しました。日本の伝統的空間では質感が大事です。質感によって、人は癒されます。どのようにしたらそれを飛行機の中で実現できるかを考えた結果、木の質感をふんだんに感じられるようにしました」(隈 研吾さん)

「ザ スイート」が搭載された新仕様のボーイング777-300ER型機は、2019年8月2日(火)に羽田~ロンドン線(NH211便とNH212便)でデビュー予定。その後、ほかの長距離国際線でも運航するとのことです。

ANAの新しいファーストクラス座席「ザ スイート」(2019年7月11日、伊藤真悟撮影)。