「妊娠中で一番辛かった」という声も多いつわりの時期。お腹の赤ちゃんのために、栄養を摂りたくても食べられないと悩むこともあるのではないでしょうか。今回は、食や栄養に関わってきたライターhinatakaが、辛いつわりの時期に知っておきたい食べ物について解説します。

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つわりの時期でも食べやすい簡単料理のレシピも参考にしてくださいね。


■食に関する代表的なつわりの種類と特徴とは?

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まずは、食事でありがちなつわりの症状3つをご紹介します。

・空腹感が大敵!食べづわり

食べづわりは、「空腹になると気分が悪くなる」、「お腹がいっぱいになると気持ち悪くなる」、「お腹がいっぱいなのに何か食べていないと気持ちが悪い」など、さまざまなパターンがあります。
気持ちが悪くなるからと食べ続けていると、体重が増えすぎて妊娠糖尿病や妊娠高血圧症を引き起こす危険性も。食べづわりの人は、1回の食事量を少なくし、小まめに食べて空腹になる時間を減らすことが対処法と言えます。



・いつもは気にならない匂いが嫌に!匂いづわり

妊娠すると、普段は気にならなかった匂いに敏感になる人もいるそうです。想像しただけで気持ち悪いと感じてしまうほど、匂いに対して嫌悪感を感じてしまう場合もあるのです。苦手な匂いを自覚し、普段からマスクを着用するなどして、匂いを遮断するよう心掛けましょう。



・常にムカムカが止まらない吐きづわり

食事をしていなくても吐き気を感じてしまう吐きづわり。症状が重い人は、実際に何度も吐いてトラウマになる人もいるようです。吐きづわりの人は、自分が食べられるものや時間帯を見付けて、吐き気をもよおさない工夫をすることが必要です。


■つわり中に食べられないときはどうする?
吐きづわりなどで、どうしても食べられないときがあるかもしれません。ここからは、つわり中に食べられないときの対処法をみていきましょう。


・無理に食べる必要はない
つわり中は、無理に食べる必要はないと言われています。あまりしっかりした食事をしなくても赤ちゃんはしっかり育ちます。
無理に食べて全部吐いてしまうより、自分の体調と相談して食べられないときは水分を取って休みましょう。




・食べられそうなときは栄養価の高いものを

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もし、少しでも食べられそうなときは、栄養価の高い食材を積極的に取り入れ、バランス良く食べることを心掛けましょう。
食べ物を受け付けない、見たくないというときは、補助的にサプリメントを利用するのもひとつの方法です。



・飲み物さえも飲めなくなったらかかりつけ医へ

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つわりで水分が摂れなくなったときは要注意!妊娠中に水分が摂れず脱水症状になると、赤ちゃんに酸素や栄養を送ることができず、ママだけでなく赤ちゃんにも悪い影響を及ぼしてしまいます。
飲み物が飲めなくなったら、すぐにかかりつけのお医者さんに相談するようにしてくださいね!


■つわり中に食べられるものは?
妊娠中に、「ポテトチップスばかり食べていた」「マックフライドポテトが食べたくなった!」などの声を聞いたことはありませんか?普段なら、そんなに欲しくならないものでも、つわり中は無性に食べたくなることがあるのです。
ここでは、つわりを経験したママたちが、「これなら食べられた!」という食ベ物をピックアップして紹介します。




・酸味があって食べやすいトマト

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つわり中は、酸っぱいものや冷たいものが食べやすいと感じる人が比較的多いようです。中でも、トマトは程良い酸味があり、気持ちが悪いときでも食べやすい食材。生で食べられるので調理する必要がなく、手軽なのも良いところです。
夏は、冷やしてフレッシュで、冬は温かいトマトスープに加えて…いろいろな食べ方ができるのでおすすめですよ。他にも、酸味のある食材は、梅干し柑橘系フルーツが食べやすいようです。



・どこでも持ち運べて手軽に食べられる!飴

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つわり中は血糖値が下がるとひどくなるという研究結果があるようです。カバンやポケットに入れて持ち歩ける飴は、手軽に血糖値を上げるのにぴったりの食べ物。『UHA味覚糖(ゆーはみかくとう)』の「あわわわわぷっちょボール」は、シュワシュワの食感がつわり中でも食べ安かったという口コミも。スーパーで見かけたら、試してみても良いかもしれませんね。



・普段はご飯派の人も好きになる?パン

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「ごはん派だったのに、妊娠してから毎日パンを食べている」なんていう人も。ごはんの匂いが苦手になり、その分パンがおいしく感じられるのかもしれませんね。.



・水分が摂れないときにおすすめ!炭酸水

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「水さえ無理…」と悩んでいる人におすすめしたいのが炭酸水です。つわり中は、炭酸水を飲むと気分がすっきりするという人も少なくありません。レモンを絞って入れると、程良い酸味がプラスされより飲みやすくなりますよ。


■つわり中NGになりがちな食材と控えてほしい食べ物
つわり中には控えてほしい食べ物や、これはNGだったという声の多い食材を紹介しましょう。




・つわり中NGな人多数!温かいごはん

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つわり中に、炊き立てのごはんの匂いがダメだと感じる人は多いよう。お米の匂いが嫌になったら、できるだけ匂いを嗅がないよう換気扇の下に炊飯器を置いて炊くのがおすすめです。また、炊きたての温かいごはんではなく、一度冷やしたごはんにすると、お米特有の匂いが軽減されて食べやすくなると言われています。



・刺激物を食べると、下痢をひきおこすかも

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麻婆豆腐トムヤムクン唐辛子や香辛料が使われた食べ物は、胃腸に負担がかかります。脱水症状を引き起こす原因になる下痢は、妊娠中には大敵!

・消化が悪いものも控えて
また、妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮が大腸を圧迫することにより、便秘がちになることもあります。
不溶性食物繊維を多く含むきのこ類や芋類、脂身の多い肉など消化の悪いものは、便秘になりやすくなるので食べすぎに注意しましょう。


■つわりの時期は食べやすさを重視して!お手軽レシピ3選
つわりのピークとなる妊娠初期に特に摂りたい栄養素は、葉酸・鉄分・カルシウム、そして体調を整えてくれるビタミン類と言われています。食欲が湧かないつわりの時期でも、無理なく食べられるものから栄養を補給したいですよね。
そんなときには、手軽に栄養を摂取できるメニューを覚えておくと安心!短時間で手軽に作れるレシピをいくつかご紹介します。

・梅とちりめんじゃこの青菜おにぎり


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梅干しとちりめんじゃこは、ふりかけでもおなじみの食材ですよね。うれしいことに、つわりの時期にもぴったりな組み合わせなのです。今回は、扱いやすいカリカリ梅を使って作ってみましょう。

【材料&作り方】2人分
白飯:350g(約1合分)
小松菜:100g
塩:適量
カリカリ梅:2~3個
ちりめんじゃこ:20g
いりごま:小さじ2
粉末和風だし:3g

1.お米1合を炊く。または、温かい白飯を用意する。
2.小松菜は塩を加えた熱湯で茹で、水気を絞ってみじん切りする。粉末和風だしを加えて和え、しばらくなじませる。
3.カリカリ梅は種を取りみじん切りにする。
4.温かい白飯に、固く絞った2の小松菜と、3のカリカリ梅、ちりめんじゃこ、白ごまを加え、均一に混ぜ合わせる。
5.好みの大きさに分け、おにぎりにする。

【ポイント】
小松菜は、カルシウム、葉酸、鉄分を含んでいるため、妊娠中には積極的に食べたい野菜です。同じくカルシウムが豊富なちりめんじゃこと合わせることで栄養価がアップ!さらに、白ごまには、吐き気を和らげる効果があるとされるビタミンB6を含んでいます。
さっぱりした梅味のごはんを冷えてもおいしいおにぎりにしているのも、食べやすくなるポイントです。




・フレッシュトマトのオムレツ


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さっぱりしたトマトも食べやすい食材のひとつ。大きめにカットすることで、フレッシュさが残り食べやすくなります。

【材料&作り方】2人分
卵:4個
トマト:1個(ミニトマトの場合は8個)
バター:大さじ1杯
コショウ:少々

1.トマトはきれいに洗って、8等分のくし形に切る。
2.ボウルに卵を割り入れ、ほぐして塩コショウで味付けし、トマトを加えてざっくり混ぜる。
3.オムレツを1枚ずつ焼く。フライパンに半量のバターを入れて火にかけ、溶け始めたら、2の卵液の半量を流し入れて大きく混ぜる。半熟になったところで、半分に折り、形を整えてお皿に盛り付ける。

【ポイント】
栄養価が高い卵は、少量しか食べられないつわりの時期の強い味方!豊富なたんぱく質に加え、カルシウムや鉄、葉酸も含まれています。吐き気の抑制効果があるとされるビタミンB6や、気持ちを安定させてくれるビタミンB12など、ビタミン類もたっぷりです。
火を通しすぎないフレッシュなトマトの食感と味で、さっぱりした味わいになりますよ!



・冷しゃぶのさっぱりうどん

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冷たいうどんに冷しゃぶ、レモンの爽やかな味は、夏におすすめのメニュー。つわりに苦しむ妊婦さんにとっては、季節を問わず作って欲しいレシピです。かけつゆの味を覚えておけば、好きな食材でアレンジも可能ですよ!

【材料&作り方】2人分
豚薄切り肉(しゃぶしゃぶ用):100g
冷凍うどん(または茹でうどん):2玉
レタス:40g
キュウリ:50g
レモン:1/2個
麺つゆ(3倍濃縮タイプ):50ml
ポン酢:小さじ2杯
水:50ml

1.麺つゆポン酢、水を合わせてかけつゆを作る。
2.レタスはひと口サイズにちぎる。きゅうりは千切りにする。
3.冷凍うどん(茹でうどん)を表示どおりに茹で、水で洗ってほぐしたら、水気を切ってお皿に盛る。
4.湯を沸かした鍋に豚薄切り肉を入れ、30秒ほど茹でたら氷水に入れて冷やす。
5.うどんの上に、レタス、豚肉、キュウリを盛り付ける。
6.表面をしっかり洗って輪切りにしたレモンを添え、かけつゆをかける。

【ポイント】
消化の良いうどんに野菜をプラスして、サラダ風に仕上げています。豚肉は、ビタミンB1ビタミンB2が豊富で、疲労回復効果や夏バテ予防効果もあるとされる食材。妊娠中で、体力が低下しがちな時期におすすめです。レモンを添えてさっぱり感もアップしますよ!


■自分が食べられるものを見付けて辛いつわりの時期を乗り切ろう!

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つわりの時期を乗り切るには、自分が楽になる食べ物や食べ方を見付けることがとても大切です。でも、食べられないからといってストレスを感じる必要はありません。まずは、家事や仕事で無理をしすぎず、できるだけリラックスして乗り切ることが一番!その上で、少しずつでも食べられるよう、自分なりに食生活を工夫してみてくださいね。
(mamagirl
掲載:M-ON! Press