ヨーグルトを食べるとき、ふたの裏にくっついているヨーグルトにイラッとしたことはありませんか? 実は、あのふたの裏についてしまったヨーグル、最近なくなり始めているんです。
「ハスの葉」をまねたらヨーグルトがふたにくっつかなくなった!?
皆さんは小さい頃、どういう風にヨーグルトを食べていましたか? ヨーグルトを開けて、まずふたにくっついたヨーグルトをスプーンですくってから食べるという人も多かったのではないでしょうか。しかし、実は今、ヨーグルトはふたがきれいに剥がれるようになっているのです。
なぜ、今までべったりとふたにくっついていたヨーグルトがくっつかなくなったのでしょうか? これにはふたの構造が大きく関係しています。実は、これは「ハスの葉」の構造をまねしたものなのです。
ハスの葉には水を弾く「ロータス効果」と呼ばれる仕組みを持っており、この仕組みをふたに応用させることでヨーグルトを弾くことに成功しました。では一体どのような仕組みなのでしょうか?
ハスの葉のもつ「ロータス効果」のしくみと応用
きれいにはがせるヨーグルトのふたをよく見ると、小さい突起が無数にあるのが分かります。この突起がロータス効果のカギです。
ハスの葉にも無数の小さな突起があり、これにより凸凹になった表面では表面張力が発生します。この表面張力によって、水滴が広がらず、水滴のまま保持されます。ですので、たとえ雨水が落ちても水滴のままころころと転げ落ちてしまうため、表面がきれいに保たれるのですね。
ヨーグルトのふたも同様で、ふたに付着したヨーグルトは表面張力で玉のようになり、くっついてもすぐに容器に落ちてしまうので、きれいにはがせるという理屈です。
このように高い撥水効果を持つ構造ですが、実はこの構造をまねしているのはヨーグルトだけではありません。
ハスの葉の表面と同じような構造を表面に作るコーティング技術が開発されており、水を弾くことでメリットのある家の外壁や便器、繊維、自動車のサイドミラー、信号機などさまざまな製品で応用されています。
生物の特徴を製品に取り入れる技術「バイオミメティクス」で新素材を開発!
今回のハスの葉のように、自然界の動植物が持つ特徴をまねて製品などに取り入れることをバイオミメティクス(生物模倣)といいます。
ハスの葉以外にもさまざまな動植物の特徴や性質から作り出された新素材や新技術が数多く登場しており、このような技術を研究するのが「材料工学」と呼ばれる学問なのです。
もし新しい素材や材料などを生み出す技術に興味が湧いたのであれば、ぜひ材料工学を学んでみてはいかがでしょうか。
【出典】
・Tenki.jp
https://tenki.jp/suppl/romisan/2016/06/18/10311.html
・J-Net21
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/nature/entry/2010111519.html
・ダイアモンドオンライン
https://diamond.jp/articles/-/152910
・ビヒダス
http://bifidus.jp/products/cover.html
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