女子中学生(DAJ/iStock/Thinkstock/写真はイメージです)

先日はサイバーパトロールでわいせつ動画投稿の女の逮捕を取材したばかりだが、今度は北海道で摘発がされた。しらべぇ編集部は、関係機関を直撃した。

 

■ネットカフェでいかがわしい行為

道警は10日、北海道青少年健全育成条例違反(淫行等の禁止)の疑いで、北海道恵庭市に住む22歳の大学生の男を逮捕した。

容疑は2018年12月5日札幌市中央区インターネットカフェの個室において、SNSで知り合った札幌市在住の当時16歳女子高生といかがわしい行為をしたもの。

2人は2018年11月ごろにSNSを通じて知り合ったとみられている。調べに対し男は容疑を認めていて、女子高校生は「同意があった」という趣旨の話をしているという。警察はインターネットカフェを利用した経緯や余罪などを調べている。

札幌市中央区ネットカフェは取材に対して「個室には防犯カメラがないため、何をやっているか分からない。店内には最大で24時間滞在できる」と答えた。

 

■教育委員会でもサイバーパトロールを実施

北海道教育庁学校教育局生徒指導・学校安全課に話を聞くと「道内の高校では、年間を通じて情報モラル教育を行っている。また道内の教育委員会や学校でもサイバーパトロールを実施している」と回答。

ネット上のいじめ等の未然防止、早期発見・早期対応を図るため、 パソコンや携帯サイトにおける児童生徒に関わる不適切な書き込み等の監視を目的に実施されているのだとか。

ちなみに、2018年度にサイバーパトロールで、不適切な書き込み等が検出された件数の合計は3,135件で、校種別では高等学校(89.5%)、中学校(10.2%)と全体の大半を占めている。サイト種別ではツイッターなどのSNS(97.9%)だ。

ツイッターに次いで検出数が多かったのはインスタグラムで、利用者が徐々に増えている傾向が伺えるという。

 

■条例によれば…

世間では「同意があるならばいいのでは?」といった意見も見られる。しかし、北海道青少年健全育成条例では、

(淫行等の禁止)

 

第38条 何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない。

 

2 何人も、青少年にわいせつな行為をさせてはならない。

 

3 何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為を教え、又は見せてはならない。

 

と定められている。とはいえ、このルールは本当に現実的なのだろうか。

 

■大半は「青少年」のうちに性体験

相模ゴム工業が2018年に発表した調査結果によると、日本における初体験の平均年齢は20.3歳。20代では男性が19.0歳、女性が18.6歳と回答しており、大半が青少年(18歳未満の未婚者)のうちに性行為を行っていることがわかる。

自らの胸に手を当ててみても、高校時代に好きな相手と結ばれた経験者は、少なくないだろう。しかし、そうした青春の思い出も、地域によっては今回の事件と同様に条例違反だったのだ。彼らも逮捕されるべきだったのだろうか。

また、同調査では、「初体験の相手とSNSで出会った」という回答も20代では7.3%に上っており、「ネットでの出会いだから不健全」とは必ずしも言い切れない。

多くの人が経験しているはずの「愛し合う相手との青少年時代の性体験」について、あらためて社会全体で考えてみるべきではないだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

「女子高生との淫行」で大学生を逮捕 現実に則していない青少年条例の問題点