ディズニーは先日、実写版「リトル・マーメイド」の主人公アリエル役に黒人女性がキャスティングされたことを発表した。しかし、アニメ版で碧眼の赤髪だったアリエル役をアフリカアメリカ人が演じることについて批判が噴出、ディズニー傘下のテレビ局が異例の声明を出す事態に発展している。




 実写版『リトル・マーメイド』の主演に選ばれたのはアフリカアメリカ人の歌手で女優のハル・ベイリー(19)。姉妹デュオ、クロイ&ハリーChloe x Halle)のメンバーで、2018年のグラミー賞新人賞にもノミネートされた逸材だ。


 大物歌手ビヨンセも認める実力で、現在はそのビヨンセが運営するレコードレーベルマネージメント会社に所属。いまでは歌手としての活躍がめざましいが、かつて子役として活動していた時期もあったという。


 ハルのキャスティングに積極的だったといわれているのが、実写版『リトル・マーメイド』の監督をつとめるロブ・マーシャル。多くのディズニー映画も手がけている監督だが、アリエルの人選にはかなり難航したという。だが、その監督も「アリエルを演じるのにふさわしい」とハルを絶賛している。



ハル・ベイリー



 ところが、このキャスティングが大きな物議を醸すことに。SNS上では「#NotMyAriel(私のアリエルじゃない)」というハッシュタグまで登場し、アニメ版アリエルを再現するために白人女優を起用すべきとの声が挙がっている。


 これに対し、ディズニー傘下のフリーフォーム局が、ハルを擁護する声明を発表した。


 10代の若者らを対象にしたディズニーチャンネル系列である同局の公式ツイッターは、ハルのキャスティングを批判している人々を、悪役アースラの歌う曲にちなみ「哀れな人」とした上で、こう声明を発表している。


「原作者はデンマーク人です。そしてアリエルは人魚です。彼女は公海にある海底の王国に住んでおり、(しばしばトリトン王を困らせますが)どこへでも行きたいところに合法的に泳いで行くことができます」


「しかし一連の騒動に関して、アリエルもデンマーク人なんだと言っておきます。デンマーク人の人魚には黒人もいるでしょう。デンマーク人に黒人もいるんですから


「アリエルは友人のスカットルやセバスチャン(ごめん、フランダーだった!)と共に海面に近づくこともあれば、ブロンズ姿で居座ることもあります。黒人のデンマーク人、そしてこのマーメイドは遺伝的に赤髪を生やすこともあります」


ネタバレになってしまいますが……アリエルというキャラクターフィクションなんです。なので、彼女がアニメキャラクターにそっくりではないという理由で、非常にセンセーショナルで才能に溢れたハル・ベイリーを起用するというアイデアを過去にすることはできません


◆「人種差別とは違う。ただ、アリエルのイメージを壊さないで」
 大きな波紋を呼んでいるアリエルのキャスティング。自らのインスタグラムに「夢がかなった……」と投稿し、選ばれたことに喜びを表していたハルはどう感じているのだろう。


-



 ツイッターを見てみると、この件については、英語だけではなく、日本語での書き込みも多い。そして、英語でも日本語でも批判的な意見に多いのは「白い肌、赤い髪、碧い目。これがアリエルでしょ」というもの。


 また、なぜ長年親しまれたアリエルのキャラをいきなり変えるの?といった意見。さらに、「人種差別ではない。ただ、アリエルのイメージを壊さないで」といったものも。


 一方で、ツイッター上には「新しいアリエル」の誕生を喜ぶ人々の声もあがっており、これまでとは違う、新しい姿のアリエルのイラストシェアされている。ユーザーの1人は、「世界中の多くの黒人の女の子が、映画を観て『私も人魚になれる』と言えることができるようになるでしょう」とつづっている。


 また、クリッシー・テイゲンやウィロー・スミス、ジジ・ハディッドなどなど、多くのセレブもハルの起用を称賛。一時期、アリエルにキャスティングされると噂されていたゼンディヤも「YES!」とツイートし、全面的に支持を表明している。


 ちなみに、アリエルに選ばれたハル・ベイリーと、女優のハル・ベリーを混同してしまう人が続出。名前が似ていたため一部の人々が勘違いし、SNSは一時大混乱。50歳過ぎたハル・ベリーがどうやって16歳のアリエルを演じるんだ?」と本筋とは違った議論も勃発したようだ。


 そのハル・ベリー、こんな応援メッセージツイートした。


「念のために言っておくけど……ハルという名前の人たちは、やるときはやるんだから。素晴らしいチャンスおめでとう。あなたが演じるアリエルを早くみたいわ」


<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>



ハル・ベイリー