156直木賞と2017年本屋大賞で史上初のW受賞となった恩田陸の同名小説を映画化した『蜜蜂と遠雷』が10月4日(金)から公開される。このたび、追加キャストとしてお笑い芸人であるブルゾンちえみの出演が発表され、同時に最新予告映像とポスターが到着した。

【写真を見る】人生をかけたコンクールに挑むピアニストたちを松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士が熱演!

本作は、国際ピアノコンクールに集結した4人の若きピアニストが、それぞれの事情を抱えながらも優勝を目指す姿と成長の様子、そして待ち受ける運命が描かれる。7年前に突然、音楽の世界から姿を消したが再びピアノの世界へと戻ってきた元天才少女の英伝亜夜役に松岡茉優、“生活者の音楽”を掲げ、家庭と仕事を持ちながらも最後のコンクールに勝負をかけるサラリーマン奏者の高島明石役を松坂桃李、人気と実力を兼ね備えたエリートで、優勝大本命と言われるも新しいクラシックをやりたいという夢に向かい信念をつらぬくマサル・C(カルロス)・レヴィアナトール役を森崎ウィン、そしていまは亡き“ピアノの神様”と呼ばれるピアニストが遺した謎の少年、風間塵役を新人俳優の鈴鹿央士が演じる。さらに、臼田あさ美、福島リラ、眞島秀和、片桐はいり、光石研、平田満、アンジェイ・ヒラ、斉藤由貴鹿賀丈史といった演技派俳優陣も集結している。

このたび、追加キャストとして発表されたのは、人気お笑い芸人のブルゾンちえみ。これまでに多くのドラマや舞台に出演し演技力を発揮してきたブルゾンだが、本作が映画初出演となる。ブルゾンが演じるのは、松坂が演じる明石の同級生で国際コンクールへの挑戦に密着しているジャーナリストの仁科雅美。ジャーナリストとしてドキュメンタリー番組を撮るため、ピアニストたちに鋭いインタビューをする反面、友人として明石を見守り、励ますという役どころを熱演した。ブルゾンは本作の出演に「初めての映画ということもありましたし、さらに『蜜蜂と遠雷』は、もともと買って読んでいた作品でもあったので、ダブルで感慨深かったです」と喜びのコメントを寄せた。

あわせて到着した予告映像では、ピアノへの迷いがある亜夜、自身の目指すクラシックと恩師の指導との狭間に揺れるマサル、圧倒的な才能の壁をもがきながらも乗り越えようとする明石、そして天才的な演奏で亜夜の心をかき乱す塵の4者それぞれの姿が映しだされる。孤独な戦いであると同時に互いに刺激し合い成長していく姿や、背負ってきた想いを演奏に乗せ、熱くぶつかりあう様に緊張と興奮が伝わってくる。コンクールを制する者は4人の誰なのか、注目せずにはいられない。

原作にある繊細な“文章”による楽曲の表現のため映像化不可能と言われていたが、日本最高峰のピアニストたちがキャラクターに寄り添った演奏で“音楽”を作り上げことによりリアリティを生みだした本作。ピアニストという表現の難しい役柄を演じきったキャストと、各界で活躍するスタッフ陣が織りなすアンサンブルに期待したい!

〈キャスト スタッフコメント〉

●ブルゾンちえみ(仁科雅美役)

・自身初の映画オファーをもらった心境

「すごく嬉しかったです。はじめての映画ということもありましたし、さらに“蜜蜂と遠雷”は、もともと買って読んでいた作品でもあったので、ダブルで感慨深かったです」

・実際の撮影を振り返って(ドラマ、舞台とは違うので苦戦したなど)

「映画が初ということでとても緊張していたのですが、石川監督のとても親身で物腰柔らかいお人柄に救われました。カメラマンさんもポーランドの方で、撮影中に英語がよく飛び交っていて、それも新鮮でした。とても素敵なチームで、私の撮影期間は1,2ヶ月ぐらいだったのですが終わるのが凄く寂しかったです」

・女優ブルゾンちえみの今回の役作りについて

松坂桃李さん演じる明石の幼馴染役をやらせてもらったのですが、“同級生男子にどうやって接してたかな〜?”と中学や高校時代を思い出しながら、松坂さんを同級生だと思いこむ作業をしました(笑)あとは私のやった役は"一番視聴者に近い存在だな"と感じたので、とっつきやすい存在になったらいいな、というのを心がけました」

・完成版を観ていたら、映画の感想

「素敵な時間でした。石川監督の前作『愚行録』(17)とは今回全然違うテイストの作品で、どんな感じになるんだろう?と思っていたのですが完成版をみて“素敵だ!”と強く思いました。現実的な話なんだけど、どこか違う世界、夢の世界に入りこんだような気持ちになり、儚く切ない気持ちにもなりました。老若男女、誰もが楽しめる作品だなあと思いました」

●石黒裕亮プロデューサー

「雅美という存在は、世界的に名高いピアノコンクールという場で、唯一クラシックに詳しくない、ある意味“異質”な存在です。でも、彼女がいるからこそ、原作“蜜蜂と遠雷”は、より多くの人が世界に入りこめた。映画では、そんな雅美の役割を、より強くしたい思いでブルゾンさんにオファーしました。なにせ、松岡茉優松坂桃李森崎ウィン、鈴鹿央士ら役者たちが勢ぞろいするなかで、女芸人という“異質”な存在です。しかしそんなチャレンジを、ブルゾンさんは見事こなしてくれました!きっと多くの人が映画の世界に入りこむきっかけを生みだしてくれたと感じています」(Movie Walker・文/編集部)

映画初出演とは思えない堂々した演技を見せる!