◆70歳まで稼ぐための「武器」と「思考法」

 従来の常識がまったく通用しなくなる労働環境で、一生食いっぱぐれずにいられる手段はあるのか? 先駆者たちに「70歳キャリア論」を聞いた。

◆「動画」を志す若者をサポートし続けたい

 動画業界の革命家として、活躍の場を広げるONE MEDIA代表の明石ガクト氏。今でこそ起業家として新たな価値観を創造する存在となった明石氏だが、漫然と過ごしたサラリーマン生活から一念発起して副業を始めた過去があった。

「学生時代から動画を撮っていましたが、大学卒業後は大手ネット企業に入社。それなりに仕事して合コンしたりという平凡な会社員生活を送っていました。しかし、父の死をきっかけに価値観が大きく変わっていったんです」

 人生の残り時間を急に意識することになった明石氏は初心に帰り、副業として動画制作に携わっていくことになる。

「さまざまなツテを辿って、一生懸命仕事をしていたら、あっという間に副業収入が本業を超えてしまったので、独立することにしたんです。創業当初は試行錯誤を繰り替えして全然利益を出せない時期もありましたが、ここ1、2年、やっと会社を軌道で乗せることができるようになりました」

 こうして業界で名を馳せていった明石氏だが、仕事の軸足が「動画」という領域から離れないことを常に心がけているという。

「最近では公私ともども面白いオファーをいただくことも多いですが、それが自分自身、大事にしている動画領域に隣接しているかどうかをちゃんと考えるようにしています。単なる人気者として消費されないように、自分が考え、手を動かすことに価値のある分野に、ひたむきに取り組み続けることを何よりも大事だと思っています」

 そんな明石氏が今、見据えている70歳までのキャリアも当然、「動画」が軸になる。

「僕が70歳を迎えることになるのは2052年です。昭和後期に生まれ、バブルがはじけたあとの平成に青春時代を過ごし、映像業界の変化を視聴者として見続けてきました。これから世の中はより一層、ヴィジュアル表現が求める時代に突入します。

 そうなると、クリエイターの需要は高まる一方で、『動画をつくりたい!』という若者たちをサポートできる環境の整備がおろそかになってしまえば、日本独自の強いクリエイティビティが失われてしまう。

 僕自身、ONE MEDIAという会社を通じて、そういう状況を打破する仕組みがつくれないか、ずっと模索していきたいと考えています」

 後進のためにも明石氏は動画業界を牽引するべく、先頭をこれから先もずっと走り続けていく。

★70歳までどう働く?
自分の「軸」である動画業界が停滞しないための仕組みづくりをずっと続けていきたい

【明石ガクト氏】
’82年、静岡県生まれ。ONE MEDIA代表。オンラインでの動画配信のみならず、デジタルサイネージでの動画配信も行う。著書に『動画2.0』。現在はSPA!で『明石ガクトの動画オーバードーズ』が月1連載中

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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