今は空前のペットブーム。犬や猫などのペットを飼う人が増加傾向にある。昨年行われた一般社団法人ペットフード協会が行った試算では、犬を飼う家庭は12.64%、猫を飼う家庭は9.78%とのこと。約5世帯に1世帯の割合で犬か猫のペットを飼っている計算になる。

ところで、犬も猫もかわいいので一緒に飼いたいが同居できるか不安と言う人はいないだろうか。「教えて!goo」にも「犬と猫を同時に飼っているが喧嘩が多い」との相談が寄せられている。両方ともペットの代表格であるものの、習性が異なる生き物。そこでご自身も犬3匹猫2匹と暮らす獣医師、千田純子先生にお話を伺うことにした。

■ まずクレートトレーニングをしておくのがおすすめ

犬と猫が同居した場合、喧嘩するのはすぐイメージがつく。その場合はどうすればよいのだろうか。

「喧嘩といっても、ケガをしない程度のものであれば、人が介入しないほうが次第にお互いに距離をとることを覚えていくでしょう。傷がつくような喧嘩をする場合は、どちらかをケージかサークルに入れて、直接接触しないように生活していきましょう。クレートトレーニングをしておけば時間を分けて出すことができるので、住み分けることができるようになるでしょう。どちらもクレートに入る練習をしておきましょう」(千田先生)

クレートトレーニングとは、飼い主の指示にしたがって、ケージではなく移動用などで使うクレートに入るようしつけることである。

「犬は必ず、猫を追いかけないように、クレートに入る時間を作りましょう。また猫は、喧嘩をしたときに逃げ込めるように、3段ケージなどで生活する習慣をつけておきましょう」(千田先生)

猫の安全地帯が3段ケージなのだ。お互いが追いかけてこられない逃げ場所があると、安心できるのだろう。

犬と猫スムーズに飼い始める順番や相性はあるのか

犬と猫を一緒に飼う場合、買い始める順番や相性などはあるのだろうか。

「どちらが先でも関係ないですが、先に飼い始めた犬か猫が面倒見のよい、社会性のある性格をしていて、後から飼いはじめた犬や猫が子犬や子猫であればうまくいくと思います」(千田先生)

人と同じで、上が面倒見がよいと楽なのかもしれない。

■先生のお宅での事例を聞いてみた

先生のお宅ではどのように慣らしていったのだろうか。

「現在10歳のメス猫が我が家に来たときは生後4ヶ月でした。当時パピヨンヨークシャーテリアがいましたが、犬は床、猫は家具の上と、住み分けており問題なかったです。しかし、この10歳のメス猫が4歳の時に、新たに子猫が来ました。このとき、メス猫に社会性がなく、なかなか子猫を受け入れられませんでした」(千田先生)

やがて、この2匹は3年の歳月を経て仲良くなったそうだ。

先に飼っているペットに社会性がなければ、受け入れに時間がかかる。また、猫同士、犬同士だと住み分けがしにくいので、ますますクレートトレーニングが重要になってくるという。千田先生はこう続けてくれた。

犬と猫は高低差でうまく住み分けています。猫が逃げたければ上に行けるようにしておけば、犬猫同士で共生する方法を考えていきます。現在飼っている犬のラブラドールプードルが猫を追いかけることはありますが、猫もそれを楽しんでいるようです。あまりにも騒がしいときは、全員をケージに入れて落ち着くまで待って、また出すようにしています」(千田先生)

低いところを好む犬と高いところが好きな猫。元来の習性を利用すれば、一緒に飼うことは決して難しいことではないように思えてきた。先に飼っていた犬か猫に社会性がなかったとしても、クレートトレーニングをし、時間と共に慣らすことで、犬も猫も平和に同居ができそうだ。

●専門家プロフィール千田純子
千葉県動物愛護推進員。ペットの犬や猫の問題行動の予防や改善のためのコンサルテーションや個人トレーニング、セラピー犬、猫の育成などを行っている。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

どっちも好き!犬と猫が平和に同居するには……獣医師に聞いてみた