テレワークの是非でそれぞれの家庭の状況が浮き彫りになってしまう可能性があるようです。

自宅やサテライトオフィスなどで働く「テレワーク」は、時間や場所に縛られない柔軟な働き方として近年注目されている。しかし、それまで外で働いていた家族が急に自宅に居続けるとなると、手放しで喜べない人もいるようだ。

7月15日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、急拡大するテレワークに関する山梨日日新聞の記事を紹介した。東京オリンピック時の交通機関の混雑緩和を目的に、政府はテレワークを推奨している。この夏、富士通NECなど首都圏を中心とした企業が、会社を上げてのテレワークを試行予定だ。リコーは来年の五輪期間中に本社を閉鎖し、大規模な在宅勤務を導入するという。これに対して、株式トレーダーで一児の母でもある若林史江さんは「旦那が家にいると(家事の)仕事が増える!」などと妻の立場から不満を漏らした。(文:okei

マツコ「だから結婚なんかしないほうがいいんだよ!」


若林さんは、保育園からの呼び出しに対応しやすくなるなど、「子育て中の女性に働きやすい環境になる」とテレワークのメリットを認めた上で、「旦那がずっと家にいるってどういうこと?」と口火を切った。MCのふかわりょうさんに「ダメですか?」と聞かれると、「ダメでしょ!」として、

「世の中イクメンとか家事分担とか言ってますけど、完璧に家事できてるヤツなんて1%いる?」

と発言。夫が家にいるだけで、掃除や皿洗いなどの家事負担が増えるなどと女性側のデメリットを指摘した。

「男性はただパソコン打ってるだけかもしれないけど、お昼もつくらなきゃいけない、本当だったら外で食べてくるものを、夕飯も作らなきゃいけない。こんなに大変なことはない!」

と力説している。まるで、テレワークの急拡大は迷惑とでも言いたげな勢いだ。

これにマツコさんは、「言わせて貰えば男だって居たくねえよ。絶対。だから結婚なんかしないほうがいいんだよ!」と突っ込み、「ホントに、本当にそう」と繰り返し強調した。

働き方改革で残業がなくなっても、すぐに家には帰らない「フラリーマン」という言葉も生まれる世の中だ。本音を言えば在宅勤務をしたくない、という男性は多いのかもしれない。

「亭主元気で留守がいい」は、「女性がお世話する」のが当たり前だから

一方、フリーアナウンサーの大橋未歩さんはテレワーク肯定派だ。自分も夫も通勤の必要がないテレワークを「どんどんして欲しいと思っていたタイプなので、若林さんの勢いが凄いなあと」と勢いに圧倒されている様子だった。

日本には30年ほど前、「亭主元気で留守がいい」なんてCMもあった。筆者はこの気持ち、まあ分かる。好き嫌いの問題ではなく、「女性が家族のお世話をする」という前提の時代・家庭では、お世話が必要な相手にずっと家に居られては、大変なのは当たり前だ。視聴者からは、「夫がずっと家にいるウザさ、わかります」と、この3連休の家事ストレスを訴える54歳主婦からのメッセージもあった。

今は、共働き世帯数が専業主婦世帯を上回っているため、テレワークが実施されても家にずっと夫婦2人きりという家庭は、現役世代には多くないだろう。また、大橋さんがテレワーク肯定派なのは、彼女の家での家事負担バランスが良いためかもしれない。テレワークは働き方だけでなく、夫婦や家族のあり方を浮き彫りにするようだ。