毎年7月1日から1か月間にわたって行われる、京都の祇園祭(ぎおんまつり)。京都の夏の風物詩として、多くの観光客が世界中から押し寄せます。

平安時代、京都では疫病が流行していました。祇園祭は、多くの人を苦しめる疫病を鎮めるため、素戔嗚尊スサノヲミコト)などの神様を祀ったのが始まりといわれています。

御朱印帳やお守りの『高額転売』に全国の神社が怒り

祇園祭の際、笹の葉で作られた厄除けの『粽(ちまき)』が京都の神社などで販売されます。

厄除けや安産祈願、学問成就など、販売される場所によっていろいろなご利益があるという、ちまき。しかし、ネットではちまきの高額転売が問題になっています。

ネットオークションやフリマアプリには、2500円前後で転売されているちまきが多数出品。取引価格はどれも定価を超えています。

ちまきはお守りと同じく、神様の力をいただくものです。神聖な物を自らの利益のために転売することは、許されざる行為といえます。

祇園祭だけでなく、全国各地の神社が転売の被害を受けているようです。

茨城県守谷市 守谷総鎮守八坂神社

2017年6月、守谷総鎮守八坂神社がネットオークションへの御朱印帳の出品に苦言。

「頒布品は祓いをし、神徳を得られるように祈願しております。一般商品とは違うものなんです。もう来ないでください」とTwitterで呼びかけ、話題になりました。

「もう来ないでください」八坂神社が転売に苦言 宮司に話を聞いた

大阪府大阪市 サムハラ神社

フリマアプリでのお守り転売を受け、「サムハラ神社は『御魂抜きの神事』を行い、転売されたお守りを無効化。

この貼り紙はネットで話題になり、「これはバチが当たりそう」「いいアイディア」と称賛する声が上がりました。

京都府京都市 粟田神社

2017年2月、粟田神社は御朱印の転売に貼り紙で苦言を呈しました。

「渡したい人のことを想って御朱印を受けることには意味があるけれど、転売によって受け取った御朱印に神様との縁はないため、意味はありません」と訴えました。

粟田神社からのお願い 『御朱印』の本当の意味に、襟を正す想い

多くの転売被害に対し、ネット上では「バチが当たればいいのに」「買う人も信じられない!」といった、怒りの声が相次いでいます。

自らの利益のみを考える人によって、本当にお守りを求めている人の手に届かないこともあるでしょう。また、神様や神社の人たちにも失礼極まりない行為です。

高額転売は、購入する人がいるからこそ横行しています。一人ひとりが「どれだけ欲しくても手を出さない」という強い意志を持っていたいですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
@samuhara_osaka