悩める少数野党の分裂

 では、反創価学会や反安倍のポジションにある宗教組織はどうなのか?

 3年前の参院選では『生長の家』の「与党候補に投票しない」声明が、反安倍陣営の追い風になったものだが、今回も同様の立場表明がなされた。

 直接的ではないが、「護憲」を訴えた『立正佼成会』は、7月7日段階で推薦候補者を公表していない。少数野党が分裂状態に陥っていることが影響しているとみられる。

 「特に共産党候補を統一して他の野党が推す選挙区では、宗教者のアレルギーが出てしまう。憲法第9条を、一文一句そのままにする護憲なのか、そうでないのかによって護憲の意味は全く違っている。立憲民主と国民民主の違いは無視していいのか、という点も推薦ハードルになってしまう」

 と語るのは、匿名を条件に語ってくれた佼成会幹部。同氏は続けて、
「どの宗教団体も、自組織の信者だからとか、人間(個人)本意で、というような理屈を並べて推薦条件にしています。これは一種の言い逃れでしょう。政治身上の異なる候補者に推薦を出すのは、宗教の組織票軽視と言われても仕方ない。外からどう見られるのかにリテラシーが欠けている」

 立正佼成会の場合、参院選比例区で叩き出す票数は30万弱。選挙3年毎に、2人ずつの候補を国会へ送り込んできた。しかし、ここでも問題が起きている。

 「まず、6年前の選挙で当選した風間直樹参院議員が引退してしまい、後釜選びに四苦八苦。佼成会教祖の生誕の地である新潟での組織票によって風間氏は当選できたようなものですから…。もう1人の現職、大島九州男候補の推薦は当然ですが、この人を推してよいものかという忸怩たる思いもあります」

 政治資金集めパーティー問題等々、あちこちに綻びが見られる大島候補(国民民主党)であるが、今回はなんと浄土真宗本願寺派からも推薦を取り付けている。本願寺派の場合、推薦の原則は他の伝統教団と同じく信徒(門徒)であること。形式的に解釈すると、大島候補は立正佼成会会員であり、本願寺派の門徒でもある一種の“二重国籍”だ。

 『天理教』や『パーフェクトリバティー教団』(PL教団)は、公式には「政治活動には関与しない」立場である。しかし、国民民主党玉木雄一郎代表はれっきとした天理教信者なのだ。
(明日に続く)