1998年に公開された、ポケモン映画シリーズ1作目となる『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が、フル3DCGとなって帰ってきた。さらに、4DX版も公開され、激しいバトルをでリアルに感じながら、ピカチュウサトシ名シーンで胸も熱くなる、見どころ満載の作品となっている。

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 全てのポケモンの“はじまり”と言われる幻のミュウを、世界中のポケモン研究者が行方を追う中、ある科学者がミュウの化石を発見。その化石を元に科学者は、最強のポケモンミュウツー”を作り出してしまう。ミュウツーは、最強の兵器としての実験を繰り返されるうちに、自分を生み出した人間に対する憎悪の年を宿していく…。

 1998年の公開当時、人間の手によって生み出されたミュウツーが抱える「葛藤」と人間への「逆襲」という、ファミリー向けの作品としては異例のテーマを掲げた作品だったが、それゆえに大人も共感するポイントが多く、幅広い層から熱烈な支持を得た。そんな伝説的な作品を3DCG、さらには4DX上映で楽しめるとはなんとも心が躍る。

 4DX上映とは、モーションチェア(座席)が映画のシーンに合わせて上下左右に動いたり、水や風、雷のような閃光だけでなくエアショットや煙などの環境効果が加わり、映画をアトラクションのように体感できるというシステム。

 前述したように、本作はミュウツーの心の動きがテーマとなっているが、その心の動きに合わせて4DXの効果が加わり、よりリアルにミュウツーの心情を体感できる。

 映画冒頭のミュウツーの“目覚め”のシーンでは、カメラワークに合わせて座席が動き、臨場感をあおる。さらに、ミュウツーが自分を生み出した人間に強い怒りをぶつけ、“逆襲”を開始する場面では、怒りに合わせ雷のような閃光が場内を満たし、座席の振動に続き、風と水しぶきが飛んでくる。次々に放たれる環境効果によって、その怒りの強さや荒れ狂う様子を実感できた。

 また、ミュウツーが嵐を起こすシーンでは、劇場も一気に嵐の中に。客席にも雨が降り、さらには冷たい空気も感じられ、体感温度が一気に下がったように思えた。

 本作はポケモンバトルシーンも魅力の1つとなっているが、それらのシーンも4DX効果があることでより迫力満点のシーンになる。

 ポケモンたちが、ミュウツーを攻撃するたびに、座席が大きく振動し、エアショットが発動と共に、座席に“風圧”のような衝撃が走る。まるで、目の前で本物のバトルが繰り広げられているかのような気分になれるのだ。

 ピカチュウサトシと共に冒険し、共に難局を乗り越えた感覚を体験できる4DX上映。体全体でポケモンの世界を楽しんでもらいたい。(文:嶋田真己)

 映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION4DX版は全国公開中。

『ミュウツーの逆襲』4DX版、ポケモンたちの“心情”と“バトル”をリアルに体感(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2019 ピカチュウプロジェクト