「文化の輸出」と聞いて、何を思い浮かべますか? 映画や音楽のジャンルに関しては、英語圏の国が生み出すコンテンツが、外国でも流通しやすいですよね。それでは、食文化はどうでしょう。どんな国の食べ物や食文化が、他国にも広く伝わっているのでしょうか。そんな興味深い研究が発表されたので、ご紹介いたします。

トリップアドバイザー」で人気レストランを調査


「食文化の輸出額」の研究を行ったのは、ミネソタ大学の経済学者ジョエル・ワルドフォーゲル氏。今年6月に、アメリカで最大の経済学の研究組織「全米経済研究所」(National Bureau of Economic Research、以下NBER)のホームページ上で研究結果を発表しました。ワルドフォーゲル氏は、市場調査会社「Euromonitor」およびホテルレストランの口コミサイトトリップアドバイザー」の人気ランキングを使用して、どの国の料理のレストランが人気なのか、売り上げはどれくらいなのかという気が遠くなるような調査と予測を行い、見積もりを作ったのだそう(正確な売り上げ数字ではなく、あくまでも予測)。

家庭での自炊に関してはデータの入手が不可能なので、今回の調査は外食産業に限定してのもの。それでも、17か国の外食産業データを分析したそうなので、頭が下がります。

調査の結果、世界で愛される食文化の実態が浮かび上がりましたが、3位までの数字が4位以下を大きく引き離し、圧倒的な人気を見せつけました。ここでは、その3か国をご紹介したいと思います。

【世界で人気の食文化 第3位】日本料理


世界では、日本食レストランが3番目に人気だったそうです。特に「SUSHI」は、今や世界の共通言語。パリでもロンドンでも回転寿司が食べられる時代なので、納得の結果です。ちなみに、ワルドフォーゲル氏の試算によると、その売り上げ額は914億ドル(2019年7月現在、約9兆9千460億円)。うーん、金額が大きすぎて、全くリアリティを感じられません。ちょっとした国家予算規模じゃありませんか? でもつまり、そんな大きな金額が、日本食文化をめぐって動いているということですよね。これは素晴らしいことではありませんか?

【世界で人気の食文化 第2位】中華料理


世界で最も人気の食文化第2位は、中華料理でした。海外旅行によくいかれる方にとっては、納得の結果なのではないでしょうか。中華系移民の多さに比例して、チャイニーズ・レストランはどんな国の、どんな田舎にもだいたいあります(もちろん例外はありますが)。TABIZINE読者のみなさんの中にも、長旅でホームシックになったとき、中華料理の味に救われた経験のある方はいらっしゃるのではありませんか? ちなみに、ワルドフォーゲル氏の計算では、中華料理にまつわる金額は1,150億ドル(同、約12兆5千142億円)でした。

【世界で人気の食文化 第1位】イタリア料理


世界で最も人気の食文化第1位は、イタリア料理でした。これも、文句のつけようがありませんね。だって、イタリア料理の代表的なメニューであるパスタとピザは、世界中で食べられていますから。イタリア料理にまつわる外食産業の売り上げ額は1,760億ドル(同、約19兆1千521億円)。ありえない例え話ですが、もしイタリアが、ピザやパスタに関する売り上げの数パーセントを使用料として徴収したら、ものすごい税収になるでしょうね。



ちなみに4位以下のTOP10ランクイン国は、4位インド、5位フランス、6位メキシコ、7位アメリカ、8位タイ、9位スペイン、10位トルコでした。インドカレーのお店は沢山あるイメージがありますが、それでも上位3か国関連のレストランの売り上げにはかなわなかったのですね。「世界三大料理」は「中華料理フランス料理トルコ料理」だと伝統的に言われていますが、「人気の世界三大料理」なら「イタリア料理中華料理日本料理」と言ってもいいのではないでしょうか。

[All Photos by Shutterstock.com]
[Global pizza domination makes Italy the world’s leading cuisine “exporter”]