高齢者施設の中庭に設置されたボートが、一部の海外メディアで取り上げられるなど注目を集めている。

場所はオランダにある「Nieuw Rijsenburgh retirement home」という施設。

施設内の中庭に置かれた「Quo Vadis」という名のボートは、主に認知症患者のためのものだ。

海に浮かぶ船を再現

なぜボートなのかというと、同施設は海の近くにあり、入居する高齢者の中には若い頃に海や港で過ごした人が多いため。

ボートの操舵室からは穏やかな海を漂ったり、空を飛ぶカモメを眺めたりすることができる。

舵を取るなど器具に触ることも可能で、まるで実際に船を操縦しているような感覚も味わえる。

ボートがキイキイと鳴る音やエンジン音、打ち寄せる波の音やカモメの鳴き声などを忠実に再現。

患者の記憶を刺激し脳を活性化

同ボートの制作者によると、認知症患者は慣れ親しんだ感覚に触れると古い記憶が呼び覚まされ、脳内の病気に侵されていない部分が活性化するとの調査結果があるそうで、他にも漁師の歌が流れるなど、認知症患者の記憶を刺激する工夫を随所に施している。

なじみ深く懐かしい歌を聴くことで、QOL(生活の質)が上がり、問題行動が減る人も多いという。

実際に入居者のおじいちゃんおばあちゃんが、熱心に船を操縦している様子も公開されている。

皆ボートに夢中で、その表情はまるで少年少女のそれのようである。

高齢者施設の中庭にボート、なぜ?