小田急電鉄と体験シェアサービスのTABICAが、東京の下北沢で、鉄蓋観賞愛好家である白浜公平さんをホストにマンホール蓋を見て回るツアーを開催。70年以上前の蓋や電電公社時代の蓋などを見て回りました。

「マンホール蓋ってどれも同じ」ではない

小田急電鉄が、ガイアックスの体験シェアサービス「TABICA」とコラボし、「小田急線沿線を新たな視点で楽しむプロジェクト」を展開しています。ユニークな視点を持ったホストが沿線の知られざる魅力を発掘し、地域住民の愛着と来訪者の興味、その土地の新たな楽しみ方を結び付けます。

2019年7月16日(火)、鉄蓋観賞愛好家である白浜公平さんをホストとし、下北沢東京都世田谷区)でマンホール蓋を見て回るツアーが開催されました。

「自治体ごとに絵柄の異なるデザインマンホールの蓋は、その土地ご自慢の名所や名産が描かれていることが多く、そのデザインを眺めるだけでもおもしろいものです。また、基本的にその土地へ行かないと見られず、まるで宝探しのような楽しさもあります」(白浜公平さん)

白浜さんはマンホール蓋が大好きで、街歩きのほか講演なども行っているといいます。ツアーはまず、下北沢駅の北へ出発。70年前の蓋や、日本電信電話公社時代の歴史を感じる蓋、東京都下水道局の記号キャップ付きの蓋など、特徴的なマンホールの蓋を見て回りました。

足元から感じる歴史

出発してすぐ、旧日本電信電話公社マークのマンホール蓋(ハンドホール)を発見。古いマークから、1952(昭和27)年から1985(昭和60)年までのあいだに設置されたことがうかがえます。

歩みを進めると、「これはレアです」と白浜さんが地面を指差しました。見ると「止水栓」と右から書かれた小さなマンホール蓋がありました。

「かつて日本水道株式会社という私設の水道会社がありました。時期は1930(昭和5)年から1945(昭和20)年までで、現在の東京都水道局にあたります」(白浜公平さん)

70年以上も前の蓋が、多くの人でにぎわう下北沢の一角に残されていました。文字が右から左へ書かれている点も、時代を感じさせます。

そのほか、色分けされた記号キャップ付きのマンホール蓋も紹介。これを読み解くと、蓋の設置年や場所などを特定できるそうです。

普段気に留めることなく、その上を通り過ぎてしまっているマンホール蓋。視点を変えて街に出ると、歴史を物語る蓋に出合えるなど、普通に歩いていたら気付くことのない魅力を新たに発見できました。

小田急電鉄は今後もTABICAと協力し、沿線の魅力発掘と活性化を目指し、その土地ならではの特別な楽しみ方を提供したいといいます。下北沢のほかにも藤沢本町や秦野などで、寿司やスケッチといったテーマでツアーを開催する予定です。

道案内が書かれたマンホール蓋(2019年7月16日、大藤碩哉撮影)。