お嬢さん。

幸せな恋愛をゲットするための、たったひとつの冴えたやり方をご存じでしょうか?

それは「悪い男に捕まらない」こと。

いいですか?

この世には、貴女の心と身体を奪おうとする獸や悪魔がたくさんいます──いま、この記事を読みながら想像したよりもずっと。この連載では、そんな「悪い男」の手口を紹介していきます。

それをどうか心の中にファイルしてください。危ない色のファイルですが、いつか役に立つときがくるはずですから。

■本日の恋愛ブラックファイル

「わかる」
「あー、だよね」
「や、そう思うよ。マジで」

男性と会話してるとしましょう。このように相手がめちゃくちゃうなずいてくれたらどう感じますか? 共感できるような話をふってきたらどうでしょう?

「あ、そうそう! わかってもらえた!」と、うれしくなりますよね。

もっと喋りたくなる。もっと共感してほしくなる。そして心を開いてしまう。

ダウト

それが悪い男のブラック恋愛術なのです。

よろしいですか。悪い男ほど、わざと「共感ワード」を連呼するのです。貴女の心を奪うために。とにかく共感してみせるのです。

たとえ、心のなかで、これっぽっちも共感していなかったとしても。

■この手口を使う悪い男のタイプ

ズバリ「とりあえず貴女の心を手に入れておきたい、計算高い優男タイプ」です。オラオラ系というよりは、懐に入りこむのが上手なタイプといえるでしょう。

人なつっこい顔をしていて、感情表現が豊かで、会話しながら安心感を演出するのがうまい──そういう人種です。

彼はめちゃくちゃ女慣れしています。「女性はこうすれば喜ぶ!」とわかった上で、あえて、そうしているのですから。

■この手口を使う効果と男性心理

女性は共感の生き物といわれています。

ずっと昔から、女性脳は「わかってもらえた! 感情を共有できた!」という状況に弱いのですね。つい心をもっていかれる──そこにつけこんだ手口です。

悪い男はとにかく共感するふりをします。恋愛や世のなかのものごとについて「これって〜だよね」と共感できる意見を言ってみせます。

そして女心のバリアーを通過して「私のことをわかってくれてる! ほかの男性とはちがう!」と感じさせるわけです。安心感を抱かせて好意を勝ちとるのです。

もちろん共感してみせることがすべて悪いわけでありません。相手に悪く思われないようにふるまうのもコミュニケーションです。もとから共感力の高い男性だっています。

ここで問題なのは、悪い男が、貴女の心と体を手にいれること“だけ”を目的にしているという点なのです。そのためだけに共感ワードを口にする男がいるのです。

当然、彼らに「恋人と幸せな人生を歩みたい」とか「恋人に充実した毎日をプレゼントしたい」という気持ちはありません。

だからこそ無責任に「あ、わかる!」を連呼できるのです。意識的にか、無意識的にか、それが貴女の心をひきつけるのに手っとり早いと知っているからです。

■この手口の見破り方と対処法

どうやって目の前の男が言う「あ、わかる!」がフェイクかを見破るのか?

それは「もしや、この人はなんでもかんでも共感しようとしてないか?」という点でチェックしてみることです。共感する度合いを疑ってみてください。

・あまりにも「そうだよね!」などの共感ワードを連呼してくる
・とにかく貴女を否定しない
・なんでも「いや、悪くないよ! だってさ……」と味方してくれる
・ほしい言葉ばかりくれる

上記に当てはまることが多いなら、限りなくブラックに近いグレーかもしれません。

もし本当に貴女のことを想っているなら、しっかりと「それはちがうよ!」と言わなくてはならないタイミングもあるからです。

貴女にとってつらい言葉になるかもしれない。嫌われるかもしれない。それでも責任を負って伝える。本当のやさしさは、そういう厳しく温かいもののはずです。

しかし悪い男は貴女のことなんかどうでもいい。だから気をひくためだけに「や、そう思うよ。マジで」と連呼するのです。

たしかに悪い男の「うんうん、わかるよ」は心地いいでしょう。「よかった! 受け入れてもらえた!」と幸せな気分になるでしょう。

しかし、なんでもかんでも肯定するのは“やさしさ”でありません。

単なる“甘やかし”です。そしてタピオカミルクティーだって実はハイカロリーであるように、甘いものには注意が必要なのです。

お嬢さん。

くれぐれも「あ、わかる!」を連呼する男には注意しましょう。

コツは、甘い言葉じゃなくて、温かい言葉に気づくこと。

甘い言葉を吐ける男はたくさんいます。しかし、温かい言葉に気づけるかは貴女次第です──いいですね?

その人は本当にやさしい人ですか?

(文:浅田さん@恋愛を語る奇術師、イラスト:ますだみく)

悪い男が連呼しがちな「共感ワード」とは