森友学園(大阪市)の国有地取引をめぐる問題で、東京大学名誉教授の醍醐聡さんを代表とする市民グループが7月17日、都内の司法記者クラブで会見を開き、「森友問題は終わっていない」と訴えた。

森友問題では、財務省の職員ら38人が背任や有印公文書変造などで相次いで刑事告発された。醍醐さんらも告発したグループの1つ。しかし、大阪地検特捜部は全員を不起訴処分にしていた。

ところが、今年3月、大阪第一検察審査会は前国税庁長官の佐川宣寿氏ら10人について、「起訴相当」ではなかったものの「不起訴不当」と議決した。今後、同特捜部が再捜査のうえで起訴するかどうかを決める。

醍醐さんのグループも告発したうち1人に不起訴不当の議決が出ている。醍醐さんらはこの日、最高検察庁を訪れ、大阪地検が政治的思惑を排して、起訴するように最高検は指導を尽くすべきだとする要望書を提出した。

グループの代理人を務める澤藤統一郎弁護士は、「本来なら起訴されてしかるべき事件」と強調し、次のように語った。

「大阪特捜に任せておくと同じことになるのではないか。再度の不起訴処分になれば、刑事事件としては終わってしまう。政治的な雑音に惑わされず、刑事訴訟の理念と検察のあるべき姿を顕現しろと、最高検がきちんと指導すべきではないか」

また、醍醐さんは「検察当局が白黒の最後の判断をするという意味ではなくて、公開の法廷で真相を解明する機会を設ける道筋をつけるべきだ」と述べ、改めて起訴の必要性をアピールした。

「森友問題は終わっていない」「公開の法廷で真相解明を」最高検に起訴要請