アリゲータードラッグを摂取したら…」と考えただけでも恐ろしいが、そんな危機が迫っていることを知らしめる米テネシー州の警察署のFacebookが話題となっている。アメリカでは依存性が高く、強い中枢神経興奮作用をもたらすドラッグメタンフェタミン”を“メス”と呼んでおり、住民らは「アリゲーターズならぬ“メス・ゲーターズ(meth-gators)”の出現も近いのでは?」と恐怖に慄いているようだ。『New York Post』『USA TODAY』などが伝えた。

テネシーローレンス郡ロレット警察署が今月13日、「トイレにドラッグを流さないで! 野生動物が凶暴化する恐れがあります」とFacebookに投稿し住民に注意を促した。警察署は警告を無視すれば、ドラッグに汚染された水を摂取した野生動物が中毒に陥り、尋常ではない行動をとる可能性があるとし、カモやガン、特に“メス・ゲーターズ”には注意をする必要があると結んでいる。

またテネシー州を流れるテネシー川は、南西方向に流れてアラバマ州北部に達することから「テネシー州の下水処理場の職員はしっかり働いていますが、水の100%の浄化は不可能です。メスのようなドラッグには対応できていません。ドラッグに汚染された水は、アリゲーターが生息するアラバマ州に流れ込んでしまうのです」と現状を報告し、メス・ゲーターズ出現の可能性は否定できないとした。

これにはSNSのユーザーらも、「メス・ゲーターズだって! 今後は目が離せないね」「アリゲーターがこれ以上凶暴になったら、どうしたらいいんだ?」「アラバマ大学のマスコットもメス・ゲーターズに変えるべき」「そういえば先月、アラバマ州でリスをドラッグ漬けにしていた男が逮捕されたよね。攻撃的なリスへの身体改造を謀ったとか…」「これは深刻な問題だよね。でもアリゲーターが暴走したらどんな行動をとるんだろう」と冗談を交えたコメントを寄せ、大騒ぎとなった。

実際アリゲータードラッグを摂取した場合にどのような行動を起こすのかは分かっていないが、『BMC・獣医学研究ジャーナル(BMC Veterinary Research journal)』は犬の場合、発作や下痢、異様な興奮状態が確認されたことを発表している。またオーストラリアのラボで行われたニシキヘビの実験では、皮膚を通して体内に取り込まれた“メス”の解毒には6週間を要したという結果も出ている。このニシキヘビは非常に攻撃的になっただけでなく、フラフラと異様な行動も見られたようだ。さらにイギリスサフォーク大学が最近行った調査では、サフォーク州の河川に生息する淡水エビからコカインが検出されたという。

河川を汚染するドラッグの問題は、そもそも人間が原因だ。「メス・ヒューマン」が多数現れたとしたらもっと質が悪い。ドラッグ摂取は悲しい結果をもたらすだけなのである。

画像は『New York Post 2019年7月15日付「Tennessee police advise public over threat of ‘meth gators’」(Shutterstock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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