「誰かの手でびしょ濡れになると過去へ、自らびしょ濡れになると現在へ」タイムリープする水野羽衣(大原櫻子)が、その力を利用して事件を解決する『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』テレビ東京、毎週水曜25:35〜)。2つの事件が起こり、テレビ東京Paraviの2媒体でそれぞれの事件が解決するという仕組みのドラマだ。

第2話に登場したのは、不倫がばれた男に口止料を払ったものの、それが1万円だったので本当に口止めになったのか不安がる主婦(梅舟惟永)。そして誰かに突き落とされて怪我をしたが、元彼かもしれないから警察に相談しづらいという清楚な美女杉浦(松田るか)。

おたのしみ部分の要、矢本悠馬&大堀こういちコンビ
まず、兄(矢本悠馬)と父(大堀こういちのだめさ加減がたのしい。杉浦の美しさに絵に描いたようにわかりやすく鼻の下を伸ばす。「性格もいい子だ〜」「守ってやりたい」「女神」「尊い」「女神なの?」「尊い」とそれぞれが彼女にぞっこんになる描写が必要以上にたっぷり。そして二つの依頼とも、見つけてほしい相手の似顔絵が微妙すぎるという小さなおもしろもポイントだ(しかも後々羽衣が見つけるその相手が、微妙すぎる似顔絵にちゃんとちょっと似てる)。

か弱い依頼人だと思われていた杉浦は、だんだんとその本性を現すのだが、羽衣だけは父や兄が愛想をつかしても杉浦を信じている。羽衣は兄や唯一の友達、と言えるかどうか微妙な大学の同級生、ヤンさん(ヤオ・アイニン)に振り回される日々だ。そんな中で杉浦に「友達」と言われ、喜んで事件を解決しようと奔走する。その姿がすこし切ない。

あぶり出される「お金の価値」
なんといっても今回は山本浩司の演技が光る。「常識でははかれないちょっとずれた感じのやつ」としてそこにいるのがいい。主婦を不倫でゆすった彼がいったいなぜ1万円という額を提示したのか。それを羽衣が見抜くシーンはかなりくだらないけれど、そこには「お金の価値が人によって違う」というおおきな事実が横たわっている。
(余談だけれど、記憶が確かならば脚本のブルースカイが手がけるユニットフロムニューヨーク」にも、お金を貸し借りしているうちにその価値がむちゃくちゃになるというコントがあった気がする)

トンチキなドラマだと思って気を抜いて見ていると、「人に必要とされること」「お金の価値」について思いを馳せている。なんとも不思議な作品だ。

今夜放送の第3話ゲスト生駒里奈に加え、『カメラを止めるな!』の秋山ゆずきと濱津隆之。この組み合わせがどんな事件を起こすのだろう。
(釣木文恵)

イラスト/よねこ