2018年12月にフロリダ州オセオラ郡の警察官ジョシュ・フィオレッリがインターネットで一躍話題になったのは、道端でホームレスを助けたとか、犯人を捕まえたとか、そんな理由からではなかった。

オセオラ郡キシミーに住むカルロス・イジリーは、散歩の途中で芝生に座りこむフィオレッリを目撃した。フィオレッリは彼のセーターの下で横たわる白い犬をそっと撫でながら、優しい言葉で子犬を励ましていたという。カルロスはそんなフィオレッリの姿を撮影したのだ。

 

のちに犬の飼い主はフィオレッリではなく、横たわっていたのは車にはねられた子犬であることが分かった。彼は犬の治療と保護施設を提供する動物管理官が到着するまで芝生に座って子犬に寄り添い続けた。

カルロス・イジリーはテレビ局の取材に対して「なかなかお目にかかれない光景ですよね」と話した。

フィオレッリはテレビ局の取材に「とても寒い日でした。子犬はぬれていて近くにはだれもいなかったので、自分が付き添ってあげようと思った」と語った。フィオレッリは当時誰かに見られていたことに気づいてはいなかった。全国の動物愛好家から彼の思いやりあふれる行動への賞賛の声が寄せられた。

あるFacebookユーザーは、「フィオレッリさんありがとう、あなたは優しくて親切なおまわりさんです。傷ついた動物に対してこんな思いやりある行動を取ることは誰にでもできることではありません。あなたは警察官の誇りであり、お手本となる素晴らしい人です」とコメントした。

他にも「おまわりさんありがとう!あなたは最高です!」「子犬のヒーローになってくれてありがとう」といったコメントが寄せられてる。

「ほとんどの犬は怪我をしていると防衛本能が働きますが、彼女はそんなことはありませんでした」とフィオレッリは言う。

子犬は首輪もマイクロチップもつけていないので飼い主を見つけるのは難しい。フィオレッリがこの機会を利用して多くの人に伝えたいことがある。マイクロチップさえあれば飼い主は大切な友達をより早く見つけ出すことができるし、事故で負った怪我への適切な治療をもっと早く受けられたはずだ。

飼い主がいてもいなくても、あの時子犬を安心させるためにはなんでもしていたとフィオレッリは語っている。

ソーシャルメディアによってフィオレッリの行動はすぐに話題となり、彼はどれだけの人が自分の行動に感謝しているかを知ることとなった。彼の言葉通りフィオレッリがしたできる限りの行動が子犬を救ったのだ。

この親切なおまわりさんの行動を称えようと、動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals:PETA)はオセオラ郡警察署に表彰状とおいしいビーガンクッキーを贈った、とオセオラ・ニュース・ガゼット紙は伝えている。

 

大紀元日本ウェブ編集部)

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