シングルマザーと既婚女性を比べたら、夫がいる女性の家事負担のほうが少ないと思いますよね。ところが、実際には男性と暮らす女性のほうが家事負担が大きいのだそうです!

女性の家事負担、アメリカでも驚きの結果

Demography」誌に発表された研究では、シングルマザーと既婚女性を比較したところ、 既婚女性のほうが家事を多く行なっており、睡眠時間と自由時間が少ないことが判明しました。

ひとり暮らしや、家族に大人が自分しかいなければ、家事をやるのはしかたがないと思うけれど、家事をする能力がある大人がほかにいるにもかかわらず、妻に重くのしかかる家事負担の現状。これにはショックを受けました。

この研究に携わったMaryland大学の社会学者Joanna Pepinさんは、その理由として、男性がいることで既婚女性の家事量が増えているのではないかと話しています。

また、シングルマザーの場合は家事をする余裕がないほど疲れていること、あるいは子どもが手伝っていることが予想されるそう。

家事負担の男女格差、日本では6倍

家事における男女格差については、アメリカ労働省のデータによると1日平均で女性は2.3時間、男性は1.4時間を家事に費やしているそうです(男性は1.4時間もやっているの!?)。

アメリカの男性は、庭や車の手入れなど定期的に行う必要のある家事を担当し、女性は料理や掃除など日々発生する家事を行なっていると、The New York Timesの記事は述べています。

となると、気になるのが日本の数字。

ちょうど目にしたHarbor Business Onlineの記事によれば、6歳未満の子どもがいる夫婦の育児を含む家事負担時間(1週間あたり)は、男性は1.23時間、女性は7.34時間。その差なんと6倍! 男性は1日では約0.17時間、10分あまりです

家が散らかっているのは誰のせい?

どうして妻にそんなに負担がかかっているのでしょうか。

The New York Timesの記事では、なぜ女性が家事を多くやるのか、その理由が垣間見られる実験結果が挙げられていました。

「Sociological Methods & Research」に発表されたその実験とは、リビングとキッチンの写真2枚を624人に見せたもの。1枚は部屋が散らかっている写真、もう1枚は片づいている時の写真です。

なんと、散らかっている部屋に住んでいる人が女性か男性かでは、見ている人の反応が変わったのです。

女性の場合は、責任を果たしていないとか、訪問者にはネガティブに思われるだろうと判断されました。いっぽうで、住民が男性の場合は、女性ほどネガティブには思われませんでした。

これを読んだ時は「ひどい」と思ったけれど、自分が被験者だったら同じような反応をするかもしれないとも思ったのです。

『家庭内男女格差』が浮き彫りに

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The New York Timesの記事では、過去30年の間に出版された“家庭内男女格差”テーマにした本を取り上げ、職場の男女格差が縮まっても家庭内の格差はほとんど変わらずに存在すると結論づけています。

職場での男女平等が叫ばれ、実際に少しずつでも改善の方向に進んでいればいるほど、家庭内の男女格差がますます際立つことになります。

家事は「妻の仕事」だと思っていませんか?

「こっちだってフルタイムで働いているのに、なぜ私ばかりが家事を?」

いやいや、妻が病気や残業の時は家事をしているとおっしゃる男性陣。それは当たり前ではないでしょうか?

夫婦ともが家にいる時、家事の分担はどのぐらいですか?

妻が家にいる時は家事をしない、しなくていいと思っているのなら、家事は妻の仕事だと思っているということですよね。

妻のほうは、やりたいかどうかや時間があるかどうか、得意だからとか好きだからなどは関係なく、やるべきことだから、自分がやらなければ誰もやってくれないからと思って家事をしています(あくまでも個人の意見)。

「手伝うよ」に潜む意識を暴く

いやいや、でも「手伝おうか」と言っていると主張する男性の皆さん、その「手伝おうか」が妻をムカつかせているかもしれません。

なぜなら、「手伝う」には、相手が主体となるべきことを自分が補助的に助けるというニュアンスがあるから。だって、子どもの宿題を「手伝う」ことはあるかもしれないけれど「宿題をやる」ことはないですよね?

「手伝うよ」は、妻がやってほしい時とは無関係に、夫が気が向いたから申し出ているように聞こえる時もあるのです(あくまでも個人の経験)。

その発言の裏には「家事は妻の仕事」という前提があることを、妻は感じているのです。

だから、「手伝おうか」ではなく、家事を「やる」と宣言してください

お皿がたまっていたら「お皿を洗う」。アイロンをかける服がたまっていたら「アイロンをかける」。床が汚れていると気づいたら「掃除する」。

妻が疲れていそうだからとか機嫌が悪いからという理由ではなく、家事は自分もすべきことで、妻と分担するものだからという思いで取り組んでみてはどうでしょうか。

家事も自分の仕事だという意識を持って使う言葉を変えていけば、その裏にある意識も少しずつ変えていける気がします。

妻も固定観念に縛られている

断捨離や、アメリカでも人気の「こんまりメソッド」に関心を持つのは大部分が女性。

すがすがしく暮らしたいからこれらを学ぶ人も大勢いると思いますが、そのいっぽうで、「家を片づけるのは女性の仕事だから」いう思いに縛られている女性もいるのではないでしょうか。

先に挙げた、部屋の写真の実験結果からもその可能性は否定できません。

そんな社会的なプレッシャーは、日本から見れば進んでいるように思えるアメリカにも深く根ざしていると感じます。

じゃあこれからどうする?

父は終身雇用の企業戦士、母は専業主婦という、私たちの祖父母や親の時代とはもう違うこの21世紀。仕事をしているかどうかにかかわらず「家事=女性の仕事」という概念を変えていかなければなりません。

The New York Timesでは、息子に父親が家事をやる姿を見せ、家事における男女のステレオタイプを変えていくべきだと、次世代への解決策を提案していました。

でも、それだけでは、今大きな負担に苦しんでいる妻の助けにはなりません。だから、夫と妻がお互いに歩み寄るしかないと思うのです。

男性は「家事をやる」と決めて、自分の任務だという意識を持って家事を担当する。妻も、罪悪感を感じることなく、もっと「夫に任せていい」のだと思います。

いろいろ思うところを書きましたが、あくまでもわたし個人の経験に基づく意見ですので、どうぞあしからず。

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Image: Shutterstock.com

SourceThe New York Times, Harbor Business Online