カツオ(deeepblue/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

ここ最近、全国各地で食中毒発生が相次いでおり、今度は宮城県大和町で発生。しらべぇ取材班は関係各所を直撃した。

 

■食中毒で2日間入院

(提供 東京都健康安全研究センター)

宮城県環境生活部によると、17日、仙台市内の医療機関から仙台市保健所に「内視鏡でアニサキスを摘出した」という連絡があった。

塩釜保健所で調査したところ、当該患者が13日に大和町内のスーパーでカツオの刺身を購入して食べ、翌14日から腹痛及び嘔気に襲われたため、医療機関を受診。結果2日間入院することになった。

塩釜保健所は、胃からアニサキスが摘出されたことや、原因と考えられる食品がスーパーで提供したカツオの刺身のみであることから、この刺身による食中毒と断定。

なお、現在患者は快方に向かっており、宮城県カツオの刺身を販売したスーパーは1日間の営業停止処分となった。

 

■アニサキスとは?

(提供 東京都健康安全研究センター)

アニサキスクジライルカ等の海洋哺乳類で成虫になる寄生虫で、その幼虫(体長1cm~3cm)はサバ、スルメイカ等の魚介類に寄生している。

アニサキスが寄生した魚介類を、生または生に近い状態で食べると、アニサキス症の原因となる。アニサキスがヒトの胃や腸壁に侵入し、胃腸炎を起こしたりするそう。なお、アニサキス症は、胃アニサキス症と腸アニサキス症の二つに分類される。

(1)胃アニサキス症は、原因食品を摂食後、概ね12時間以内に発症することが多く、 胃に差し込むような激烈な痛みが起き、それが持続する。悪心や嘔吐を伴う場合もある。

 

(2)腸アニサキス症は、原因食品の摂食後数時間から数日で発症し下腹部痛、悪心や嘔吐などの症状が現れる。

 

■感染しないためのポイント

酢漬け、醤油漬けなどの調理法でも死滅しないため、提供された場合も原因食品となる。感染しないためには、アニサキスを死滅させる処理を行う必要がある。

・加熱調理(60℃で1分以上)

 

・-20℃で24 時間以上冷凍する

 

・内臓の生食をしない

 

・生食をする場合は、新鮮なものを選び、すぐに内臓を除去し、低温で保存する

 

これらの処理で感染の確率を下げることができるという。「刺身で食べる場合は充分な目視が大事」と東京都健康安全研究センターの担当者は話す。サッパリとした生ものが恋しくなる季節なだけに、食中毒にも充分に注意したい。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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