10日放送のフジテレビ系「梅沢富美男のズバッと聞きます! モー娘。同窓会SP」では、矢口真里、飯田圭織、保田圭らが出演し、主に矢口、保田が話した。
モーニング娘。二期生は矢口、保田、そして、参院選に出馬中の市井紗耶香である。番組では市井が出るシーンはモザイクがかかり、ネットでは話題になった。
「モー娘。で一番美人だった。プッチモニのセンターになったときはすごく嬉しかった。女子に人気あるタイプだと思います。ゴマキや安倍なつみより数倍綺麗な顔してますね。モー娘。を辞めてパッとしなくなって、私は気持ちが薄れていきました。
でも、『梅ズバ』ですが、モーニング娘。を特集するならば、市井さんが参院議員になってから放映すれば良かったのではないでしょうか。参院議員に出世した彼女のトークを聴きたい人も多いはずです。だって、全盛期の黄金メンバーの一人ですからね」
■出馬会見で子育て訴えると宣言
市井は現在、人寄せパンダとして激戦区をまわっている。京都、大阪、福岡、静岡、山梨、東京など分刻みのスケジュールで動いている。6月26日の出馬会見では冒頭で次のように自身の子育てについて語った。
「私が今、最も自らの気持ちを捧げ、自らの時間を注いでいるのは子育てです。私には4人の子供がいます。上は14歳、12歳、下は6歳、一番下はようやく2歳になりました。
一番上の子供は私が20歳のときに出産しました。初めてわが子を抱いたとき、『この子を命がけで守る』、そんな気持ちが芽生えたのを覚えています。
4人の子育ては本当に大変ですが、お互いが助け合い、子供一人ひとりが健やかに育ち、子供たちの成長を日々見つめることができるのはとても幸せなことだと実感しています。
ただ、自らが子育てを経験する中で、今の日本が本当に子育て世代に温かい社会になっているか疑問に思うことがたくさんあります。例えば、病児保育。子供はちょっとしたことから急に発熱をしたり体調を崩すことがあります。
そんなとき、フルタイムで働いているお母さん方は前日から病児保育を血眼になって探したり、ようやく一時保育先が見つかっても家から何駅も離れたエリアだったり、子供も親も心身ともに疲労困憊になっているのが実情です。
東京などの都会で病児保育を支援する団体の施設が増えてきたのは事実ですが、子育てをしている私たちの実感からするとまったく足りていないのが現状で、特に地方に行けば行くほどその環境は厳しいものになっていると思います」
■子供にかかるお金の問題にも
また、子育てや不妊治療などにかかるリアルな経済面にも触れた。
「このような環境は、住んでいる場所にかかわらず、国全体で解決しなければならない問題。そして、子育てにはどんなに工夫をしてもお金がかかります。
「最近の子供はぜいたく」という声が時折聞こえてきますが、どんなに節約をしても毎月のおむつ代、ミルク代、着るものに食費など、どうしてもお金がかかってしまいます。
現在子育て世代は児童手当で支援をいただいており、大変感謝しておりますが、その手当では十分ではないことは子育て家族では誰もが知っています。
やはり、日本社会全体で子育てを応援していくために、もっと児童手当を拡充して、経済的な面で子育て家庭を支援していくことが必要だ。そして、子育てを支えてくれている保育士さんや看護師さんの人数不足や、職場環境のことも大きな問題だと思います。
また、子供を授かりたくても授かれず、不妊治療に多額のお金をかけなければいけない夫婦もおり、そのような家庭も社会全体で支えていく仕組みが必要だと思います。
子育てにかかわる問題点、改善点はきりがありません。最近はそのような問題点が多く議論されるようになりましたが、私たちのような子育て家族が望むようなスピードで解決されていないのがとても残念です。
おそらく理由は、子育てを経験し、または子育てをしている当事者、特に現役のお母さんが政治の世界に少なすぎるからだと思います」
■原発ゼロをやると言ったものの
筆者は会見を聞いて、あえて「子育て以外で訴えたいことはありますか?」と質問した。
彼女は、 「東日本大震災のときに私は千葉に住んでいたが、それまで原発のこと知らなかった。原発に対する危機意識を持ち、子供を育てる親として不安になっていることもあり、原発はゼロにすべきだと思っている」と主張した。
しかし、筆者が何回か街頭演説を聞くと、市井が話すのは毎回5〜8分程度。しかも、内容はすべて子育てなのだ。15日の祝日昼に新宿アルタ前で立憲民主党が主催する『#この夏、わたしは変えたい』と題した街頭演説会が始まった。
比例区候補は市井以外にも東京MXテレビでのマシンガントークで人気を博した白沢みき氏や、ゲイだとカムアウトした初の議員である石川大我・前豊島区議が並んだ。立憲民主党の枝野幸男代表が来るということもあり、アルタ前は満員となった。
市井は参院候補の最後にマイクを握り、自己紹介した後で、
「この夏、私は変えたい。私は、子育てに、もっとやさしい社会にしたい、そう思っています。もう、説明する必要もないかもしれませんが、私の生い立ちを少し、お話しさせてください。
14歳で芸能界デビューし、20歳で出産しました。初めて我が子を抱いたとき、自分の命より大事な命、この子のことは何があっても絶対に守る、そう誓いました。そして現在、上の子は14歳、12歳、下の子は6歳、2歳と、4人の子供を育てているお母さんです」
と話し始める。
■演説は「子育て」に集中
そして、子育てが国会でテーマにならないのは当事者が少ないからだ、と述べた上で、最後は、
「私も正直、迷いました。このままで本当にいいのだろうか。そんなとき、“保育園落ちた、日本死ね”。このブログが、国会で取り上げられたのを思い出しました。子育てといえばどうしても、小さな子供だけをイメージしがちです。
ですが、保育、小1の壁、いじめ、奨学金と、子供が社会に出るまで、親の悩みは尽きません。ですが、親の悩み、親の苦しみは、国会へ響かない。だから今、他の政策に埋もれてしまう前に、お父さんの声、お母さんの声を、国会へ届ける必要があります」
「私は本気です。この夏、本気でこの国を変えていきたい。もっとお年寄りにも、小さな子供たちにも、もっと思いやりのある社会にしていきたい。そう考えています。そのためには、みなさんの、あなたの力が必要です。あなたの力が必要です」
18日にも吉祥寺と新宿で市井紗耶香の演説を再び聞いたが、内容は前の演説とほぼ同じ。けっきょく、子育ての大変さと、それを支援できない政治を変えたい、自分のような子育ての当事者が少ないからだ、と訴えるだけなのだ。
■不妊症に悩む塩村あやか前都議が隣に
筆者が気になったのは、15日18日も演説の隣に東京選挙区から立憲民主党で出馬している塩村あやか前都議がいたこと。
塩村氏は不妊症の傾向があるために、「卵子を凍結して未来に託した」と話し、不妊治療の大変さと、5つのカップルのうち1カップルが不妊治療を受けている実態を訴えているのだ。市井氏も何度も聞いているはずだが、演説では塩村氏を無視するがごとくにも見えた。
立憲民主党を追う全国紙記者は語る。
「タレント候補ではなく、子育てママの候補だという自負が市井さんにはあるが、演説は子育ての大変さと、事態が改善されないのは当事者が少ないからだ……という内容を、壊れたレコードのように繰り返すだけ。
出馬会見で原発ゼロにも関心があると言ったのに、原発にはまったく触れずじまい。激戦区をまわらされているところをみると、党は人寄せパンダとしか考えていないでしょうね」
子育て一辺倒では、息子がろう者で社会福祉を訴えた今井絵理子・参院議員のように、いつまでも人寄せパンダになりかねない。出馬会見で述べたとおり、原発ゼロについても勉強していなければ、けっきょくはタレント議員で終わってしまう。
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