新日本プロレス
『G1クライマックス29』
▽18日 東京・後楽園ホール 観衆 1,726人(札止め)

 新日本プロレス真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス29』は、米ダラス・アメリカン・エアラインズ・センターでの開幕戦、東京・大田区総合体育館での国内開幕2連戦、北海道・北海きたえーる大会を経て18日、“聖地”東京・後楽園ホール3連戦の初日を迎えた。会場は“G1価格”として、普段の後楽園大会よりも高めの価格設定だったにもかかわらず、1,726人のファンが集まり、公式戦にアツイ視線を送っていた。

 Aブロックの3戦目が組まれた今大会では、開幕から連敗中の棚橋弘至飯伏幸太ザックセイバーJr.に注目が集まった。初戦はKENTAとランスアーチャーの全勝対決。KENTAはアーチャーとの身長差に苦しみながらも得意のキックで攻守を逆転していくが、今シリーズアーチャーは絶好調。たびたびパワーに押される厳しい戦いとなったが、アーチャーが必殺のチョークスラムを狙うと「待ってました」とばかりに三角締めで切り返し、GAME OVERでギブアップ勝ち。KENTAにとっては、ヘビー級戦線で闘っていくであろうG1以降にもつながる勝利となったのではないだろうか。

 続いてラインナップされたのが、EVILSANADAのパートナー対決。IWGPタッグ戦線で何度も組んでおり、お互いに知り尽くしているだけに、高度な技を繰り出した。EVILが掟破りのパラダイスロックを繰り出せば、SANADAも掟破りのEVILを決めてみせた。どんな結末になるのかとファンが固唾を飲む中、一進一退の攻防を繰り広げた2人。最後はパワーで上回ったEVILラリアットからEVILを決めて3カウント。試合後、両者はグータッチでノーサイド。また見てみたい対決である。

 3試合目では、開幕から連勝中のIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカと、1勝1敗のバッドラック・ファレが対戦。オカダは今年の2.11大阪・エディオンアリーナ大阪大会でファレとのシングルを制しているが、大型な選手なだけに、どちらかと言えば“苦手”なタイプ。連敗を避けたいファレは、オカダの入場時に奇襲攻撃。その後もセコンドの邪道や、チェーズ・オーエンズが試合に介入し、場内はブーイングの嵐。しかし、最後は前方回転エビ固めを狙ったファレをそのままエビ固めで押し潰してオカダが3カウントを奪った。試合後、ファレは結果に納得が行かずオカダを襲ったが、美しいドロップキックで返り討ち。オカダが横綱相撲を見せた試合だった。

 セミファイナルは棚橋とザックの全敗対決。棚橋にとってザックは自他ともに認める「苦手」なタイプ。しかし、今年の対戦成績は1勝1敗のイーブン。棚橋は4月に行われたアメリカニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン大会で敗れている。ザックブリティッシュヘビー級王者として、これ以上の負けは許されない。

 試合は棚橋がザックの土俵であるグラウンドで仕掛けて、試合の主導権を握っていく。終盤、棚橋のハイフライフローザックが三角締めで捕獲。しかし、棚橋はジャックナイフ式エビ固めで切り返し3カウント。3戦目で棚橋の夏が始まった。ここから連勝していけば連覇も不可能ではない。

 メインイベントでは飯伏と、IWGPジュニアヘビー級王者ウィルオスプレイの好カードが組まれた。2人は今年の1.4東京ドーム大会でオスプレイが勝利を収めNEVER王座を獲得したのだが、試合後、飯伏は担架で運ばれて欠場に追い込まれている。初戦のSANADA戦に勝利を収めたが、首を負傷し7.15きたえーる大会のアンダーカードを欠場したオスプレイはこの日が復帰戦となった。

 1.4ドーム大会と同じく、序盤からまばたきが許されないようなスピーディな攻防を繰り広げると、飯伏はパワーとカミソリのような打撃でオスプレイを圧倒。最後はカミゴェが決まり、うれしい公式戦初勝利を飾った。

 「絶対に負けない、逃げない、諦めない。絶対にみんなを裏切りません」

 7.14大田区大会の試合後と同じく「諦めない」という言葉を使って大会を締めた飯伏だが、棚橋と同じくまずは連勝することが逆転優勝への道となる。大物ぞろいのAブロックは、オカダとKENTAが無傷の3連勝スタート。2勝はEVILアーチャーで、ザックはまさかの3連敗だ。Aブロックの4戦目は20日の後楽園大会。後半戦に向けて、後楽園3連戦は大きな鍵となる。

取材・文・写真 / どら増田

オカダ・カズチカ、KENTA