明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2019、川崎フロンターレvsチェルシーが19日に行われ、1-0で川崎Fが勝利した。

試合後、約10分間の出場で決勝ゴールをアシストしたMF中村憲剛(川崎フロンターレ)がミックスゾーンでの取材に応対。「自分たちがJリーグでやっていることを、向こうがやっている」と自分たちがやりたいことをやられていたことを明かし、0-6と屈辱の大敗を喫した2015年のドルトムント戦から世界との「差は縮まっていない」と主張した。

◆MF中村憲剛(川崎フロンターレ)
——10分間の出場でMVP
「みんなはズルいと言っていました(笑)」

——ベンチでどこが空いてるかなどを見極めていたと思うが、どのような感じで試合に入ったか
「正直、前半は『これは結構、しんどいな』と。普段、自分たちがJリーグでやっていることを多分、向こうがやっているんだなというのはすごく感じました。自分たちが取りに行っても取れずに、間に入れられて前を向かれて、押し込まれて、(ラインを)下げられているので、取った瞬間には前には(小林)悠しかいないし。これをどうやって打破していくかはすごく難しかったです」

「ただ、あそこでもし失点していたら、あそこで試合は終わっていました。それでも(チョン・)ソンリョンもそうですし、DF陣もそうですし、体を張ったことで試合を0-0で折り返すことができました。後半は人も替わりながらやって、暑かったので相手も体力が落ちて、スペースがどんどんどんどん出てきていたのをウォーミングアップしながら見ていました」

「前半とは明らかに違うなという感じはあったので、自分がどこで出るかといえばボランチかなと思っていましたし、オニ(鬼木達)さんも時間を気にしてくれていたと思います。(残り)10分で何ができるかは、空いているところ、特に左サイドバック、後半はそっち側がかなり攻められていて、(脇坂)泰斗とカズ(馬渡和彰)のところの受け渡しがイマイチうまくいってなかったので、裏も結構空いていたので一本出しましたけど、そこは見ていて突こうと思っていました」

「あとはショートコーナーもできそうだなという雰囲気は結構ありました。そこは(相手も)新チームでもあり、選手もかなり替わっている状態で仕込まれていないと思っていて、泰斗に寄った瞬間も誰もこなかったのでチャンスだなと。あとはそれをしっかり正確に繋げれば入るかもしれないと思っていましたけど、(レアンドロ・)ダミアンが決めてくれて良かったです。そういう意味では、わずかな時間でもやるべきことをやらなくてはいけないということは、いつもと一緒ですけど、それが今回はうまくいったケースだと思います」

——自分たちがやりたいことをやられたという部分で言うと、参考になったことや高みを目指せると感じたこともあったと思うが
「目指せる部分とどうしようもない部分ということは多分あって、目指せることの一つとしては、『止めて、蹴る』。もっと止めないといけないですし、止めれるから相手の選手はいろんな選手が見れるし、逃げれる。こっちがプレッシャーをかけてもプレッシャーに感じていない部分はあったと思います。本当にドンピシャじゃないとなかなか前から取りに行くことはできませんでした。なかなかそういうことはJリーグでもありません」

「あとはパススピード。これはドルトムントの時もそうでしたけど、そこは絶対だなと感じました。ポジショニングのところもそうです。しっかりと止めて蹴れるからポジショニングもそれぞれが無駄なく立てる。そういう意味ではチェルシーは前半、無駄なくやっていました。ポジショニングも良いですし、奪われた瞬間から取り返しにいけるところにみんながいました」

「逆にこっちは陣形を崩されていたので、そこですね。自分たちはJリーグでできている方かもしれないですけど、世界とはまだまだ。まだまだなのは(2015年に0-6で敗れた)ドルトムントの時から知っていましたけど、差は全然縮まっていないなというのは感じました。別にそれは悲観することでもあり、悲観しなくてもいいかなということもあるので、これを自分たちでもっともっとやっていかなくてはいけません。こちらもあの時とはメンバーも半分以上替わっていますけど、そこでいろんな選手に刺激が入って、またフロンターレが伸びればなと思います」

「あとは身体能力やフィジカル的なところで、ある程度アバウトでも止めれてしまう選手が相手にはいます。もっとパスワークを緻密に突き詰めないといけないと思います。相手よりも止めて、蹴るができないと戦えないと思います。それはベンチから観ていて『これは大変だな』と感じました」

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