来年に行われる東京五輪の出場権を目指した女子バレーボールの戦いが、いよいよ始まる。8月2日から世界6カ所で、女子バレー大陸間予選が始まるのだ。

その大陸間予選に挑む女子バレー韓国代表の最終メンバーが7月16日に発表になった。

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女子バレー韓国代表は先月末から、韓国の忠清北道(チュンチョン・プクド)の鎮川(チェチョン)にある「鎮川選手村(ナショナルトレーニングセンター)」で強化合宿を行ってきたが、韓国バレーボール協会が発表した最終エントリー14人のリストを見るだけで、その意気込みが伝わってくる。

昨年の世界バレーでキム・ヨンギョンに次ぐエースとして頭角を現したパク・ジョンアは、足首のケガがまだ完治せず見送られたが、昨季の韓国VリーグMVPに輝いたイ・ジェヨンが復帰。彼女の妹で“韓国女子バレー界の美人姉妹”とされるイ・ダヨンも選ばれるなど、韓国Vリーグのスター選手たちが粒ぞろいなのだ。

もちろん、エースのキム・ヨンギョンも健在だ。

終わったばかりのFIBAネーションズリーグでは第3週からの途中合流だったキム・ヨンギョンだが、今回は早くから大陸間予選に合わせて調整を続けてきたというだけに、期待も大きい。

ただ、そのネーションズリーグで韓国女子バレーが苦杯を舐めた。韓国は3勝12敗で15位に終わっている。

ネーションズリーグは今年2月に韓国女子バレー代表史上初の外国人監督として迎えたイタリア出身のステファーノ・ラバリニ監督の初陣だったが、華々しい船出どころか期待が大きかっただけに出鼻を挫かれた感も否めなかった。


(写真提供=SPORTS KOREA)


とはいえ、選手と新監督は新しいチーム作りに手応えを感じているという。

例えば、新監督が強調してきた攻撃的サーブと攻撃参加への積極性だ。

「ネーションズリーグの日本戦では韓国の攻撃的なサーブで日本のレシーブラインを揺さぶった。そのせいで日本は本来の速いテンポでのセットプレーを生かせず、韓国もキム・ヨンギョンだけに頼らず攻撃したことが勝利の要因だった」とは、韓国のバレーボール専門メディア『THE SPIKE』の分析で、日本戦はラバリニ監督体制後のベストゲームにも挙げられている。

ネーションズリーグでは、そのラバリニ監督が多くの選手たちを試せたことも成果とされた。

ヤン・ヒョジンやキム・スジに頼っていたミドルブロッカーには、イ・ジュア、パク・ウンジといった若手が台頭してきたし、腹部のケガのために今回の大陸間予選メンバーには漏れたが21歳のカン・ソヒも着実に成長した。

何よりもセッター世代交代のメドが立った。これまで女子バレー韓国代表のセッターといえばイ・ヒョヒ頼みだが、今年で38歳になる彼女に代わって前出したイ・ダヨンがラバリニ監督体制下では主力セッターを務めている。

ネーションズリーグでは苦杯を舐めた女子バレー韓国代表だが、着実に生まれ変わろうとしているわけだ。

そんな新チームが大陸間予選で属するのは、ロシアカナダメキシコと同じグループE。

世界ランキングでは韓国9位に対して、ロシアは5位、カナダが18位、メキシコが21位となっている。

大陸間予選はグループ最上位のチームのみに来年の東京五輪出場権が与えられることになっていることを考えると、韓国のライバルはロシアとなるだろう。

ちなみに前出の『THE SPIKE』が懸念しているのは「オポジット・スパイカーの不在」だという。

Vリーグではオポジット・スパイカーの多くを外国人選手が担っているせいで、韓国人選手にこれといった逸材が出てこない」というのが実情で、そのためラバリニ監督もオポジット・スパイカーに関して言及することが多いというが、はたして。

女子バレー日本代表は開催国として自動出場となるが、東京五輪出場権をかけた女子バレーの戦いには今から注目しておきたい。

(文=慎 武宏)

(写真提供=SPORTS KOREA)