先日、写真集「理咲」を発売し、話題となった松風理咲が「A列車に乗っていこう」で舞台初挑戦。石田ひかりと2人芝居を行う。女優としてステップアップし続ける彼女に初舞台の意気込みを聞いた。

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――今回の『A列車に乗っていこう』が初舞台ですが、映像作品との違いは感じますか?

やっぱり声や表現の大きさは違いますね。でも、今は演技の違いというより“稽古期間がある”ということが全然違うと思います。

――初舞台で、石田ひかりさんとの二人芝居ですね。

大人数での舞台をまだ経験したことがないので想像ですけど、二人だからこそ濃密にギュッとできる部分もあると思います。稽古でも二人のシーンしかないので、ずっと頭をフル回転させている感じです(笑)。あと、台詞には哲学的な用語が出てくるので、ご覧になる方々にきちんと伝わるように説明する難しさがあります。あとは台本には絶対自分は日常では言わないだろうけど素敵なニュアンスの言葉もあって、言っていて気持ちいいなと思う瞬間もあって、演じがいがあります!

――この作品では松風さん演じるそらと、石田さん演じる時枝が二人で旅に出るストーリーだそうですが、舞台中のシチューションも変わるんですか?

場面が変わったりはすることもありますが、基本は会話劇です。その分、役者としての力量が試される作品だと思います。今まで演じてきた映像作品では、相手が言ったことに対してリアクションして台詞を言うことが多かったんですけど、今回は相手の台詞に直接答えず、自分の気持ちを言うこともあるんです。そこは相手の言葉を理解した上で、その台詞を言っているように演じないと、相手を無視しているみたいになるのですごく難しいと思いました。」

――共演される、石田さんはどんな方ですか?

本当にやさしくて、稽古でも「理咲ちゃん、大丈夫?」と声をかけてくださいます。普段のときも話しかけてくださいます。本当に素敵な方だと思います。今回、ひかりさんが演じられる時枝は、そらちゃんにとって先生みたいな立場なんですが、ひかりさんの普段の雰囲気に近い部分もあるというか。お互いの素の先に、役としての関係性を探していける部分がある気がしています。

――今回の稽古ではどんなことを意識していますか?

90分弱の舞台ですけど上演中はずっと舞台に立っているので、まずはきちんと覚えたり、理解しなければいけないことがいっぱいあって。そこは大変です。でも一ヵ月お稽古すると、それもだんだんと身体に染み込んできています。台詞も「なんだっけ?」と思い出すことなく自然と出てくるようになってきました。そういう意味では作品や役をより理解して臨めています。

――稽古を重ねてみて、台本に対する印象はどうでしょう?

ずっと難しいなと思っていたんですけど、今はそらちゃんと時枝さんが会話を楽しんでいることがひしひしと伝わってくるようになりました。わかりやすい設定や結末があるわけではないので、ご覧になる方もいろいろな考え方や解釈ができるんですよね。私自身、最初に台本を読んだときと、通し稽古をやってみた今とでは印象も変わってきていますし、ご覧になる方や観る回数でも違ってくるだろうと思います。

――そういえばこの春、大学生になられましたよね。今は何を勉強されていますか?

心理学です。毎朝早起きして通っています! 高校の頃はそんなに厳しくない学校だったので自由に過ごしていたんですけど、大学は授業の出席もきちんと自分で管理しないと単位がもらえないですし、あと100分間の授業って長いな〜って思います(笑)。課題も期日までにきちんと提出できなかったらダメじゃないですか? ただ、プライベートとお仕事は自然と分けられるほうなので、プライベートはきっと弾けていると思います(笑)。

――そらという役について、愛着は湧いてきましたか?

ここまで一つの役と向き合うのは初めてだったので、そらちゃんに愛着が湧いてきました。今までは演じる役のことを客観的に見てきたので、役に対して「好き」という感情はあまりなかったんです。でも、そらちゃんには幸せになってほしいなって思う。稽古が進んでいくにつれて、そらという人間の魅力を感じますし、時枝さんとのやりとりにも微笑ましい感じがあって可愛くて。そんなそらちゃんの姿を魅力的に演じられたらと思います。「二人の会話が面白かったな』とか「台詞のこの言葉が気になったな」とか「こういう考え方もあるんだな』とか、なにか一つでも感じていただけたらうれしいです。(ザテレビジョン・取材・文=小杉厚)

石田ひかりと2人芝居に挑戦する松風理咲