ANAが、特別支援学校の生徒を対象に搭乗支援プログラム「ANA そらぱす教室」を初開催。座ったまま保安検査場を通過し機内まで行ける特別な車いすモルフ」の試乗などが行われました。開催のきっかけは先生のリクエストだそうです。

1%未満の搭乗率

ANA(全日空)が2019年7月19日(金)、「ANA そらぱす教室」を筑波大学附属桐が丘特別支援学校(東京都板橋区)で開催しました。

特別支援学校の生徒を対象とした「搭乗支援プログラム」で、講師はCA、グランドスタッフなどANAスタッフ5人。集まった高校生8人に対し、飛行機に乗る際の注意点などがイラストを交えて書かれた「そらぱすブック」にそって、搭乗から降機までの流れを70分、“授業”しました。ちなみに「そらぱす」は、「そらのたびへのぱすぽーと」を略したものだそうです。

特に生徒からの反響が大きかったのは、樹脂製の車いすモルフ」です。保安検査場を乗ったまま通過できるほか、普段は標準的な車いすと同じくらいのサイズながら、メインの車輪を取り外すことで、機内通路も移動可能なサイズにすることができます(その際はサブタイヤを使用)。

「ANA そらぱす教室」は今回が初開催。特別支援学校の先生からANAに、「修学旅行飛行機に乗ることに対し不安がある生徒を安心させてあげたい」というリクエストがあったことが始まりだそうです。

「障がいをお持ちの方々の搭乗率は、全体の1%にも満たない状況です。今回のプログラムで飛行機に興味を持っていただき、乗るのが楽しみになっていただきたいです」(ANA CS推進部 小島永士担当部長)

ANAはこの活動を、2019年度は首都圏を中心にしつつ、全国へ展開していきたいとしています。

「ANA そらぱす教室」の授業風景(2019年7月19日、乗りものニュース編集部撮影)。