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image credit:facebook

 一年で最も寒い冬は誰もが暖かく過ごそうとする季節だ。その一方で行き場のない多くの人や動物たちが凍えながら命を落とす時期でもある。

 この悲しい現実に心を痛めている人の行動が反響を呼んでいる。

 ブラジルのバス停で、冬の寒さに震える野良犬たちがいた。その様子を見過ごせなかったやさしい地元の人々が、彼らのために温かいベッドを用意したのだ。

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寒そうな犬が気がかりだったスタッフ

 2017年5月、ブラジルのクリチバを走るバスターミナルのスタッフは、厳しい寒さ(ブラジルの冬は5~7月)をしのごうとする犬が気がかりでならなかった。

 人懐っこい3匹の犬のためにもっと良い場所を作ってあげたい。

 彼らは犬が心地よく過ごせるだけでなく、そのお世話もできる良い方法がないかと考え、水や食べ物のほかにベッドのプレゼントを思いついた。

 それは古タイヤと毛布でできた犬用のベッドだった。これなら体も冷えにくくなり、暖かさが保てるだろう。

タイヤベッドに大喜びの犬たち

 スタッフたちは気の毒な犬たちの過去を知らない。飼い主に捨てられたのかも、野良暮らしをいつから始めたのかもわからないし、気にしてもいなかった。

 心やさしい彼らが気にかけたのは今、目の前で苦しむ犬たちを安全で暖かい状態に保つこと。それが一番大事なことに思えたからだ。

 それから犬たちにマックス、ピトコ、ゾイーニョと名付けた。

 タイヤのベッドに体を沈め、柔らかい毛布と愛情に包まれた犬たちは、これ以上ないほど大喜びしてくれた。

 とてもつらく苦しい毎日を送っていた犬たち。だがこの日から、今までより幸せな暮らしを楽しめるようになった。

生きるものすべてへのやさしさを

 この出来事は地元の政治家や企業などからも大きな注目を集めた。動物愛好家のファビアンローザさんもそのうちの一人だ。

 彼女はフェイスブックでこの件にふれ、野良犬の暮らしを少しでも良くするために時間を割き、愛情いっぱいの贈り物をしたスタッフを称えた。

 「スタッフの皆さんを心から称賛します。今やすべての人が、愛らしい犬の存在と彼らがそこにいる権利を持つことを理解しました」

 「今回のことで、クリチバのたくさんの企業が行き場のない動物たちをペットにすることを検討してくれるでしょう。それが最高、理想的とまでは言いませんが、動物の面倒をちゃんと見る引き取り手が増えるのは喜ばしいことです」

 さらにローザさんは世界中のすべての人にこんなメッセージを送っている。

平和で快適な暮らしは私たち全員が享受できるものです。この出来事が生きるものすべてへのやさしさを思い起こさせるものでありますように

 きびしい境遇にある犬たちを想い、その寒さや飢えだけでもどうにかしてやりたいと手を差し伸べた人々。

 たとえ最高ではなくても今できること、やれることを行動に移した彼らの姿勢は今もなお、多くの人に感動をもたらしている。

 このタイヤ、どこかで見たことあるかと思ったら、廃タイヤを使ってペットのベッドにする活動を行っている男性が作ったものに似てるね。同じブラジル国内だし、ブラジルでは廃タイヤをペットのベッドにするのが一般的になっているのかもね。


References:pawsplanet / facebookなど /written by D/ edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52277052.html
 

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