日本人の子どもに対する教育方針は、中国では高く評価されているが、ほかにも日本の教育には見倣うべき点があるという。中国メディアの今日頭条は18日、「日本の教師が子ども同士のけんかを仲裁しないわけ」と題する記事を掲載した。

 一人っ子政策が長く続いたためか、あるいは祖父母が子どもの面倒を見ることが多いためか、中国では子どもを甘やかす傾向が強く、わがままで何もできない子どもに育ってしまうとよく言われる。なんでも子どものためにしてあげるのが当然という風潮があり、例えば学校の送迎では、子どものかばんを親や祖父母が持つのが当たり前になっている。

 そんな中国人からすると、日本の幼稚園や学校の教師は責任感がないように感じるようだ。子ども同士がけんかをしていても仲裁に入らず、「自分たちで解決するのを静かに見守る」からだという。日本人の感覚では、子ども同士のけんかは当たり前の光景で、大人が出ていかなくても解決することができる。また、子どもは様々な経験のもとで社会性を身に付け、将来本人が大人になった時に経験が役に立つとも考えられている。

 その点、中国の常識というのは、「衝突を回避し、衝突が起きたらすぐに大人が介入すること」だと紹介。幼稚園で子どもがけんかをしてかすり傷を負ったら教師の責任になるというのは、あまりに過保護ではないだろうか。

 記事の中国人筆者は、子どもの成長に不可欠な子ども同士の衝突という経験を排除してしまう中国の教育に疑問を示しながら、「心を鬼にして」子どもの成長を見守る日本の教育方針を称賛した。これは、理解ある親があってこそできることであると感心している。日本では、親が安心できる環境が整っているために、教師も子どもを自由にさせることができる、と良い循環になっていると指摘した。

 こうした面では、日本の教育は理想的と言えそうだが、中国で同じことをするのは難しそうだ。記事に対して、「中国も1960年代はこうだった」と懐かしむ人や、「自立を促す」日本の教育方針を称賛する人が多く見られたが、中国ではやはり子どものけんかに大人が介入しないわけにはいかないという意見も少なくなかった。中国は社会全体が子どもに甘い傾向があるが、甘やかしが過ぎれば子どものためにはならず、本当の愛情とも言えないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本の教師はなぜ「子ども同士のけんかに介入せず、仲裁もしないのか」=中国