明治安田生命J1リーグ第20節が20日に豊田スタジアムで行われ、名古屋グランパスvsガンバ大阪は2-2のドローに終わった。

8試合で白星から遠ざかる4連敗中の9位名古屋は、丸山と米本が負傷欠場した一方で、今節から出場可能の太田が新天地デビュー。そのほか、3バックの一角にJ1デビューとなる藤井を先発に抜擢した。ここ8試合4勝3分け1敗と息を吹き返す11位のG大阪は、3年ぶり2度目の復帰を果たした宇佐美とともに、この試合を最後にオランダに旅立つ中村も左ウィングバックでスタメン。負傷欠場の三浦に代わるセンターバックの一角として、菅沼を7試合ぶりに起用した。

勝ち点2差でひしめく両雄の一戦は、ボールの主導権争いで上回ったG大阪が能動的に進める立ち上がりとなるが、4分に敵陣左サイドの高い位置で緩慢な縦パスをカットしたエドゥアルド・ネットがジョーとのワンツーでボックス右に突き進み、相手数名のDFを引き付けながら中央に左足のラストパスを供給。最後はフリーの前田が左足ワンタッチで合わせ、名古屋が相手のミスを突いて先制に成功する。

ミスから出鼻を挫いたG大阪だが、8分にアンカーの位置に入る遠藤が素早いルックアップからディフェンスラインの背後に抜け出そうとするアデミウソンにロングフィード。完全に抜け出したアデミウソンが鋭い飛び出しを見せてきたGKランゲラックと入れ替わる形でボックス右に持ち込むと、コースを狙い澄ました左足シュートを無人のゴールマウスに決め切り、すかざすスコアをタイに戻してみせる。

アデミウソンの15試合ぶりとなるゴールで追いついたG大阪は23分、キックオフから共鳴し合うアデミウソンと宇佐美の2人によるカウンター。敵陣にボールを持ち上がるアデミウソンから右サイドでパスを受けた宇佐美がドリブルで対面DFとの一対一に持ち込み、ボックス右から右足を振り抜く。鋭い弾道のシュートが名古屋のゴールマウスに飛んだが、GKランゲラックに阻まれてしまう。

早々にリードを失った名古屋だが、G大阪とボールの主導権を奪い合う展開が続くなか、ここ2カ月間ゴールから遠ざかるジョーが立て続けにフィニッシュの形に持ち込むなど、ゴールに迫る形を構築。そうした状況が続いた44分、左サイドでパスを受けた和泉がゴールに向かうようなクロスを供給すると、ボックス中央のジョーを通過。ファーサイドの宮原が合わせ、名古屋が再びリードする。

巻き返したいG大阪だが、最終ラインにミスが相次いで相手に決定機を許してしまうシーンが散見。そうしたピンチを何とか凌ぎながらボールの主導権を握った戦いに転じるが、ファイナルサードで引っかかる攻撃が続き、なかなかゴールに迫れない。そのなかで54分に左サイドから宇佐美がクロスで同点機を演出。だが、ボックス右でボールを受けた矢島が右足シュートを決め切れない。

名古屋を攻め立て続けるG大阪は、移籍前ラストゲームの中村や遠藤、アデミウソンを下げて、小野瀬や食野、渡邉を立て続けに投入。宇佐美と小野瀬のインサイドハーフを形成して攻撃の活性化を図るが、ガブリエルシャビエルや長谷川アーリアジャスールの投入を施しつつ、自陣に守備ブロックを固めてカウンターベースの戦いを講じてくる名古屋を前に攻め手を欠いた戦いに終始する。

そのG大阪はそうした状況を打開しょうと、相手守備網の間にボールを出し入れしながら攻め手を探り続けるなか、帰ってきた至宝が大仕事をやってのける。後半アディショナルタイム1分、敵陣右サイドの小野瀬が上げたセンタリングに反応したファーサイド宇佐美がヘディング。これが起死回生の同点弾となり、土壇場でG大阪の敗色ムードを払拭してみせる。

結局、宇佐美の再々デビュー弾が追いついたG大阪が敵地で貴重な勝ち点1を掴み取って2試合無敗。逃げ切れなかった名古屋は9試合で白星から遠ざかる結果に終わっている。

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