マンションには音漏れがつきものです。楽器を演奏する人は、「演奏可」のマンションに住んでいても、音漏れは気になるもの。
中には、どのくらいの音ならマンションで演奏をしてもいいものなのか分からず、演奏を楽しめない人もいるでしょう。
今回は楽器演奏が可能ないわゆる楽器可物件(マンション)の特徴を知ったうえで、音漏れ対策について考えてみたいと思います。
“セリア”のアイテムだけでOK!ガスコンロ「グリル排気口」は掃除しなくていい!?1.楽器を演奏できる楽器可物件とは?
OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)
楽器が演奏できるマンションは、「音楽演奏可」「音楽応相談」「音楽専門」「防音」の4つのタイプに分かれます。
しかし、楽器演奏が可能になっているからといって、そのすべてのマンションに防音の設備が備わっているとは限りません。
1-1 楽器演奏が可能でも、防音のレベルは様々
音には、空気を介して伝わる「空気伝播音」と物を介して伝わる「固体伝播音」があります。
その2つを完璧に遮断できる物件は意外に少ないものです。
「防音」となっている場合は、壁・床・窓などが二重構造にしてあり、防音ドアが設置されていて、24時間演奏可能な物件が多くあります。
ですが「音楽演奏可」や「音楽応相談」と表記している物件の場合、防音設備自体は一般的なマンションと変わらないところもあるため、とくに注意が必要です。
楽器を演奏できる時間帯が昼間だけというケースも少なくありません。
1-2 同じ防音設備でも建物の構造によって効果は違うの?
ABC / PIXTA(ピクスタ)
住宅に使用される建物は、おもに「木造」、「軽量鉄骨造」、「重量鉄骨造」、「鉄筋コンクリート造(RC)」、「鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)」の5つに分類されます。
木造はもっとも音が伝わりやすく、鉄筋造のマンションは比較的防音性が高いと言われています。
しかし、楽器の音に対する防音性はほとんどありません。
2.自分でできる音漏れ対策
Good morning / PIXTA(ピクスタ)
ここでは、自分でできる音漏れを軽減するための方法を紹介します。
2-1 リフォームをする
自己所有のマンションならば、壁や床などを二重構造にしたり、防音ドアや遮音シート付き換気扇を設置することができます。
壁や床の層にグラスウールを充填すると遮音効果が高くなります。
また、通常の部屋の中に防音効果の高い部屋をもう1つ作ることも1つの手段です。
費用は200万円以上かかります。楽器の種類によっては高い防音性や広い空間を求められる場合があります。
その場合は費用も高額となり、400万円以上するケースもあります。
2-2 部屋の中に防音スペースを作る
部屋の一部だけを防音加工にする方法もあります。
部屋の一部に組み立て式の防音室を設ける「独立型」防音室は、楽器によって大きさを選ぶことが可能です。
人間が一人入れるくらいの大きさなら、費用は60万円程度で済む場合もあります。
2-3 防音室を自分で作る
近頃はホームセンターなどでも防音シートや防音カーペット、防音カーテンなどを購入できるようになってきました。
それらを使って防音室を自作する方法もあります。
防音効果については、素人の施工であるために、業者に依頼するよりも効果が落ちる可能性は大きくなります。
2-4 壁側に家具を置く
vfhnb12 / PIXTA(ピクスタ)
家具の配置を変えるだけで、防音効果が増す場合があります。
壁が薄めの構造のマンションでは、壁側に家具を配置するだけで隣の部屋への影響が若干ですが軽減されます。
音の伝わり方には、空気を介して伝わる場合と固体を介して伝わる場合の2種類があります。
家具を置くことで、その両者の音をある程度はカットできます。
2-5 隙間対策を行う
空気を介して伝わる音をカットしたい場合は、防音カーテン、遮音シートを用いる、テープなどで隙間を埋めるなどするだけでも、音の伝わる力を弱めることができます。
固体を介して伝わる音は、床や天井を介して伝わるために、空気を介して伝わる音に比べて効果が薄れます。
3.まとめ
ykokamoto / PIXTA(ピクスタ)
気持ちよく楽器を演奏するためには、防音性の高い物件を選ぶのはもちろんですが、音の伝わりにくい部屋になるように自分で工夫することが大切です。
近年は、電子楽器も多く販売されていますし、ミュート機能が搭載されている楽器も増えているので積極的に取り入れ、加えて円滑な人間関係を築き、周囲の理解を得つつ防音対策すべきだと思います。
コメント