若い世代からインターネットに親しめるようになった今の時代。しかし、ネット上には様々な誤報や意図的なフェイクニュースが蔓延している。
子供たちがどれだけネットの世界に慣れても、ソーシャルメディアなどで拡散される誤情報を見極めるのは難しい。実に多くの子供が正しくそれを認識できていないということが、複数の研究により示唆されているそうだ。
イギリスでは2020年早々から、小・中学校の生徒に対し、フェイクニュースの認識方法や潜在的リスクの特定方法などのカリキュラムを、義務教育の一環として導入することを政府が発表した。
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子供たちがネット上の情報の真偽を判断する手助けとなるカリキュラム
教育省のダミアン・ハインズ長官は、小・中学校にこのカリキュラムを導入するにあたって、次のように述べた。
インターネットは、誤って、もしくは意図的に虚偽を広めることをはるかに容易にしてしまった。誤った情報減の増加は、信頼を破壊し、学習文化を傷つけ、好奇心を刺激する可能性がある。学校の教師たちは、ネット上でフェイクニュースなどのデマによってもたらされるリスクについて、子供たちが認識できる手助けをする必要がある。導入されるカリキュラムは、子供たちにフェイクニュースをより効果的に認識することを教えていく。対応する能力を子供たちが身に着けることで、情報の虚偽と真実の区別が可能になるだろう。
またハインズ長官は、ソーシャルメディアとインターネットニュースが与える危害についてのサミットに保健省長官と参加し、特にネット上での抗ワクチン接種運動のような、誤解を招く内容の拡散を抑制する方法についても議論し合ったという。
子供たちが情報を正しく見極める能力を持つのは重要なこと
意図的な改ざんであるフェイクニュースは、読み手に本当だと信じ込ませ、真実ではないことを伝えることにより拡散していく。
それらは、ソーシャルメディアのネットワーク効果や「いいね」の力が後押しする形となり更なる自己推進的な拡散を促す。だからこそ、信頼できる情報減がこれまで以上に重要になってくる。
また、人は自分の信じたいものしか信じないという特性がある。それが拍車をかけ、自分の信じたい情報のみを拡散させていく。
ネットを使用する若い世代は、ニュースを知るためにそれぞれ自分の考えに沿った情報源を頼りにする傾向にある。
更に、タイトルや要約文だけで正しい知識を得られたと勘違いして、全文を読まずに自分のいいように解釈する傾向にあるという研究も報告されている。
重要なのは、ニュースを正しく識別できているかどうかだ。しかし子供たちがどれほどニュースメディアに精通しているかということも確認する必要がある。
目的は、ネットの安全性と精神的幸福の重要性を学ぶこと
今後学校では、Relationship(人間関係)、Citizenship(公民権)、Computing(コンピューター)のカリキュラムを融合させた新しい授業内容を導入する予定だ。その主なトピック内容は次の5つとなる。
1. 確証バイアス
既に信じていることに従って物事を探したり判断したりする時に、確証バイアスによってどのようにストーリーが拡散されていくかを教える。2 .説得に使われたテクニックの識別方法
ネット上で他人を説得したり操作したりするために使われるテクニックを認識できるよう教える。3. ネット上で見る物事を評価する方法
生徒らが、オンラインで見る物事について判断を下すのを可能にし、自動的にフェイクニュースが真実である、もしくは許容できると思ってしまわないように教える。4. ネット上のリスクを特定する
ネット上に起こるリスク可能性を特定し、対処方法について十分な情報に基づいた決定を下すように教える。5. いつ・どのようにサポートを求めるか
自分がネット上で見たことに懸念を抱いたり不快に感じたりした場合に、安全なサポートを求める方法を教える。
カリキュラムの目的は、全ての子供たちがネットの安全性と精神的幸福の重要性を学ぶことだ。
授業では、なりすましや多重アカウント、クリック誘導などがどのように危険な罠に子供たちを誘い込もうとしているのかを教えるだけではなく、確証バイアスがどのようにストーリーを拡散し、なぜ、誰が最初に真実を曲げてそのニュースを伝えたのかという理由についても議論する内容が含まれているという。
References:Independentなど / written by Scarlet / edited by parumo
http://karapaia.com/archives/52277223.html
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