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Myriams-Fotos/pixabay

 国連などの研究によると、ミツバチの個体数は生息域の破壊、殺虫剤の影響、ダニの寄生、蜂群崩壊症候群などによる病気、気候変動が原因となって、驚くべきスピードで減少しているという。

 世界の食糧供給の80%以上は、ミツバチの働きによって可能にされている。これは、地球上での生態系と人間の生存の基礎となり、欠かせないものだ。そしてそのミツバチを絶滅の危機から救うためには、養蜂がますます重要になる。

 しかし、既存の養蜂プロセスは素人には難しく、広いスペースも必要とされる。そこで、イタリアのある企業が新しいタイプの養蜂プロセスを開発した。

 従来のような困難さを伴わず、オープンスペースも必要ない。都会にいながら、テラスなどのささやかなスペースで、シンプルな方法によって養蜂できる新世代のミツバチの巣箱がデザインされたのである。

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B-Box: 1st Ever Hive Designed For Home Beekeeping

イタリアの企業が開発した都会に優しい養蜂キット

 絶滅の危機に瀕しているミツバチを救うため、都会にいながら誰でも自宅で簡単に使用できる養蜂キット「B-Box」を開発したのは、イタリアのbeeing(ビーイング)という企業だ。

 beeingは、養蜂のプロセスを単純化することで新世代に養蜂を促進すると同時に、ミツバチの個体数を増やすことを目的とし、開発まで3年、試作版として10のキットを製造して1年間テストを続けた結果、都会のスペースでも問題なく養蜂できるコンパクトなミツバチの巣箱を作ることに成功した。

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ミツバチは、特別な生き物です。蜂蜜を生産するだけではなく、受粉の役目も担っています。私たちは、みんなにミツバチの働きを観察し、知ってもらう機会を与え、簡単な方法で蜂蜜を収穫してほしいと思っています。(beeingスタッフ)

蜂蜜収穫システムをデザインは特許出願中

 人々が家庭で簡単に養蜂できることを奨励しているbeeingは、木製のコンパクトなハチの家を設計。高さ2.2メートルの開口した煙突部分からハチが出入りできるようにすることで、ハチの出入りを邪魔することなく人が観察できるようにした。

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 巣の部分は、ポリカーボネート(熱可塑性プラスチックの一種)を重ね、外側は取り外しができるパネル状にデザイン。そうすることで、巣の中にいるハチの動きを安全に観察することが可能となる。

 また、特許出願中の蜂蜜収穫システムは、ハチの生息場所と蜂蜜の保存場所が分かれているため、防護服や手袋を装着する必要もない。レバーを引いたり押したりすることで、ミツバチが巣から出られるように促すことが可能なため、ハチと接触することなく数時間後には安全に蜂蜜が収穫できる。

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 B-Boxは、基本の寸法が67cm×47cmと都会の狭いスペースに適すように作られているが、サイズはカスタマイズも可能だ。

現在、キャンペーンで予約注文を受け付け中

 beeingでは、養蜂についての質問や学習をサポートするために、専門家によるトレーニングなどのサービスも提供しており、コミュニティで養蜂を新世代に推進したいと考えている。

 現在、生産準備が整っている段階で、クラウドファンディングサイト「indiegogo」を通して予約注文を受け付け中だ。7月18日の時点で、300人近い支援者が集まっており、目標金額を約400%以上も上回る順調なスタート準備を見せている。なお、最初の出荷予定は11月とのことだ。

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PollyDot/pixabay

 世界中の人がミツバチの働きを身近に知るようになることで、ミツバチが絶滅の危機から救われる可能性は決して少なくない。近年では、ミツバチを救うためスウェーデンオランダなど各地で様々な取り組みが行われている。

References:designboomなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52277161.html
 

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