京都市伏見区にある、アニメ制作会社「京都アニメーション」で、19日に起きた放火殺人事件。20日現在で34名の方が亡くなるという非常に痛ましい事件で、多くの人たちがショックを受けている。
■「容疑者は精神疾患」との報道も
京都府警が身柄を確保した青葉真司容疑者(41)は、住居であるさいたま市でトラブルをたびたび起こしていたそうだ。
また、警察からは「精神的な疾患がある」との発表もあり、ネット上では「精神疾患で減刑されるのでは?」「もし無罪になったら許せない」などの声があがっている。
■実際に弁護士に聞いてみた
しかし、ここまで多くの人たちが亡くなった事件で、精神疾患を理由に減刑されることはありえるのだろうか?
しらべぇ取材班は、レイ法律事務所に所属して、アニメや映像コンテンツの保護にも力を入れている舟橋和宏弁護士に話を聞いた。
■舟橋弁護士のコメント
「まずは亡くなられた方に深く哀悼の意を表させてください。 精神病といってもその病状も程度も様々です。
確かに刑法上、心神喪失(刑法39条1項)、心身耗弱(同条2項)として、刑の減軽規定はありますが、これを判断するにあたって、医学的見地含め様々な視点から検討が加えられます。
その検討の結果、刑罰に影響することはあり得ますが、現時点のわずかな情報から判断することはできません。
少なくとも、精神に病を抱えることが直ちに刑罰に影響するということではなく、病を抱えるから犯罪を起こすわけでもないのは言うまでもありません。
人命とともに多くの財産が失われてしまった事件ではありますが、今後の事件報道により偏見、差別の助長につながらないことを切に願います」
■現時点では判断できない
舟橋弁護士によると、心神喪失や心身耗弱により減刑される規定はあるものの、現時点ではどうなるかの判断はできないとのこと。
それよりも「精神疾患のある人が事件を起こす」といったイメージがネット上で生まれ、そこから風評被害や差別の助長につながることを危惧していた。
青葉容疑者にどのような刑が科されるかは今後の展開が待たれるが、この事件によって精神疾患を抱える人たちへの差別につながることがあってはならない。SNSでのコメントも配慮したほうがいいだろう。
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