G大阪からオランダ1部へ 目標だった欧州挑戦で「ゴールを取れるだけ取る」

 ガンバ大阪からオランダ1部FCトゥウェンテに期限付き移籍するU-20日本代表FW中村敬斗が21日、成田空港から渡欧した。Jリーグラストマッチとなった前日20日の第20節名古屋グランパス戦(2-2)を終え、オランダへ出発。大勢の友人に見送られた18歳が新たな挑戦のため旅立った。

 昨季、高校3年生で三菱養和ユースからG大阪に入団。下部組織出身ではない選手の“飛び級トップ昇格はクラブ史上初だった。入団当初からレヴィー・クルピ前監督に才能を見出され、開幕デビューを果たすと、2018年3月14日のルヴァンカップグループリーグ第2節浦和レッズ戦では自陣から約60メートルの独走ドリブルでプロ初ゴールを決めるなど活躍。そこから苦しんだ時期もあったが、目標にしていた欧州切符を自らの手でつかんだ。

「今の気持ちは完全にオランダ、FCトゥウェンテで活躍することしか考えていないし、わくわくしています。もちろんゴールをとにかく取れるだけ取って、アシストもできるだけして、毎試合出るぐらいの勢いで試合に絡んで。それぐらいじゃないと。この年齢で(欧州に)行くというのは大変だと思うんですけど、覚悟を持って行きたいです」

 前日の20日のラストマッチ。左ウイングバックで先発出場するも、不完全燃焼で終わった。海外移籍が決まってから怒涛のようなスケジュールのなか、体調を崩してしまった。それでもなんとかコンディションを元に戻したのは、G大阪へ感謝の思いがあったからだ。宮本恒靖監督をはじめ、森下仁志U-23監督、實好礼忠U-23前監督(現・京都サンガコーチ)など、厳しく指導し、成長させてくれたクラブへの恩返しという気持ちが強かった。

「向こうで活躍してこい、とチームメートのみんな応援してくれて。1年半しかいなかったし、ユース出身でもないけど、ガンバサポーターからも送り出してもらって。(試合後にゴール裏へ向かって)みんなの前で話せたのは、すごく嬉しかったです」

見据える先は東京五輪 「オランダで結果を残せば招集される可能性ある」

 17歳で縁もない大阪に住み、18歳で海外へ。慣れない土地にも「持って行くのは、味噌汁少しぐらい」と、“身一つ”で乗り込む。言語は「向こうに行って勉強する」と言うが、明るい性格に加え、日頃からブラジル人FWアデミウソンと仲良く、コミュニケーションを取ってきたため、「なんとかなると思います」と言い切った。

 中村が日本を発つ頃、米国・ヒューストンでは同世代の日本代表MF久保建英が所属するレアル・マドリードで実戦デビューを飾っていた。先輩の日本代表MF堂安律(フローニンゲン)をはじめ、東京五輪世代はすでに世界で活躍し始めている。トゥウェンテは今季1部に昇格したばかりだが、2009-10年には1部優勝を飾っている。14-15年にはMF宮市亮(ザンクトパウリ)も所属していたクラブで、8月3日PSVとの開幕戦デビューを目指す。

プレースタイル的には海外のほうが近いものがあると思う。個で勝負できるのは自分の強みでもあるので、良い選択だったというところを証明したい。オランダで結果を残せば、(東京五輪世代の代表に)招集される可能性があると思う。まずはトゥウェンテで結果残すことが大前提」

 東京五輪まであと1年。J1では24試合1得点で勝負をかけるため、次のステップへと進んだ。日の丸を背負うため――。夢へ向かって、18歳FWは大きな一歩を踏み出した。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

FCトゥウェンテに移籍するFW中村敬斗【写真:Football ZONE web】