インターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)2019のユベントスvsトッテナムが21日にシンガポールで行われ、トッテナムが3-2で勝利した。

昨季、セリエA8連覇を成し遂げたユベントスは、アレッグリ前監督の退任に伴い、チェルシー退団のサッリ監督を新指揮官に招へい。その注目の初陣となる今回の一戦に向けてはパリ・サンジェルマンから復帰したGKブッフォンを除き昨季の主力クラスを起用。

サッリ監督お馴染みの[4-3-3]の布陣を採用した中、4バックは右からカンセロ、ルガーニ、ボヌッチ、デ・シリオ。中盤はピャニッチをアンカーに、インサイドにジャンとマテュイディ。3トップはベルナルデスキ、マンジュキッチ、クリスティアーノ・ロナウド。また、ベンチにはラビオ、デ・リフトチェルシーからレンタルバックのイグアインが入った。

一方、昨季チャンピオンズリーグ(CL)準優勝チームのトッテナムは、プレシーズン初戦らしいアカデミーの若手と主力をミックスしたメンバー構成に。主力クラスはアルデルヴァイレルト、ウィンクス、デレ・アリ、ラメラ、ソン・フンミンに留め、17歳の逸材FWパロットらフレッシュな顔ぶれが先発に並んだ。なお、1年半ぶりの新戦力エンドンベレはケインエリクセンらと共にベンチスタートとなった。

ソン・フンミンとパロットの2トップにラメラをトップ下に配した[4-3-1-2]の布陣で前から猛烈なプレッシングを敢行するトッテナムに対し、ユベントスはサッリ監督初期のチーム特有の拙いビルドアップでハメられる場面が多く苦しい入りに。それでも、要所で個の力を発揮するイタリアの盟主はC・ロナウドが際どい2本のシュートを放つなど、徐々に盛り返していく。

一方、立ち上がりの4分と9分にショートカウンターからボックス内のソン・フンミンに続けて決定機も、左ポストに阻まれるなど序盤の決定機をモノにできないトッテナム。それでも、出足の鋭さとウォーカー=ピータース、ジョージウーの両サイドバックの果敢な縦への仕掛けを軸に相手ゴールへ迫ると、前半半ば過ぎにゴールをこじ開ける。

31分、中盤でマテュイディの不用意なバックパスを奪って高速カウンターに転じると、ボックス付近まで持ち上がったソン・フンミンがタメを作って右を追い越すパロットに短いスルーパス。パロットのグラウンダーシュートはGKブッフォンの好守に阻まれるが、こぼれ球をラメラが左足で流し込んだ。そして、トッテナムペースで進んだ前半は1-0のスコアで終了した。

迎えた後半、両チームはハーフタイム明けに複数の選手を交代。トッテナムケインヴェルトンゲン、ルーカス・モウラ、ムサ・シソコらを投入。対するユベントスイグアインにデミラル、ラビオと新戦力をピッチに送り出す。

すると、後半はユベントスが持ち味の決定力を遺憾なく発揮する。まずは56分、ボックス手前でC・ロナウド、ピャニッチ、イグアイン、ベルナルデスキとサッリボールを彷彿とさせる見事なダイレクトパスが繋がると、最後はイグアインがゴール右隅に流し込み、同点ゴールとする。

続く60分には左サイド深くで仕掛けたデ・シリオからのマイナスパスを受けたC・ロナウドが冷静な右足のシュートで流し込み、エースのゴールで逆転に成功した。

この直後、C・ロナウドやラメラがお役御免でベンチに下がった中、ユベントスはデ・リフトトッテナムはエンドンベレと注目の新戦力がデビューを飾る。すると、トッテナムのクラブ史上最高額男がいきなり魅せる。65分、デ・シリオの不用意なサイドチェンジをボックス手前左でカットしたエンドンベレが絶妙なラストパスをゴール前に入れると、これをルーカスがスライディングシュートで流し込んだ。

2-2の振り出しに戻った試合は互いに多くの若手をピッチに送り込んだこともあり、ここからやや膠着する。その流れの中で80分過ぎにはケインイグアインと両ストライカーに決定機も決め切るまでには至らず。

その後、引き分け濃厚と思われた最後の最後にスパーズのエースが驚愕のゴールを決める。93分、ハーフウェイライン付近でボールを持ったラビオにルーカスプレッシャーをかけてボールがこぼれると、これにすかさず反応したケインが右足ダイレクトでロングシュート。すると、前目のポジションを取っていたGKシュチェスニーの頭上を越えたボールがゴールネットに突き刺さり、劇的すぎるスーパーロングシュートが決勝点となった。

そして、シンガポールフットボールファンを熱狂させた白熱の一戦はトッテナムが3-2で勝利した。

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