「週刊サンデー」で2001年~2008年まで連載されTVアニメ化もされた、雷句誠さんによる人気漫画「金色のガッシュ!!」。電子書籍のみで出版されていた「金色のガッシュ!! 完全版」が紙書籍版として発売決定! A5判で、2019年7月より毎月2巻ずつ刊行される予定です。

「金色のガッシュ!! 完全版」の第1巻・第2巻が7月22日に発売!

(※1・2巻の発売日は2019年7月22日、3・4巻の発売日は2019年8月23日)

そしてこの紙書籍版の刊行記念として雷句誠さんのインタビューをお届けします。

――電子版のみで発売されていた『金色のガッシュ!! 完全版』の紙版が刊行開始になり、早くも発売前重版がかかったとのことですが、やはり紙で読みたいというファンの声が大きかったのでしょうか。

雷句 はい、その通りです。『金色のガッシュ!! 完全版』は最初、電子書籍のみでリリースしました。紙での出版は全く考えていなかったのですね。ですが、電子書籍が出たその日から、「紙で出して下さい」「電子書籍だと、子供にプレゼントできない」「愛蔵版のような本は是非紙で持っておきたい」など、本当にたくさんの声をツイッターの方でいただきました。

で、電子書籍の作業が全部終わった時に、ダメ元でたくさんの出版社さんに『金色のガッシュ!! 完全版』を紙で出してくれないか? と掛け合ったのです。もちろん、たくさん断られましたが、諦めずにコツコツといろんな出版社に問い合わせたり、お会いしたりしているうちに、クラーケンさんとお会いでき、『金色のガッシュ!! 完全版』を出せることになりました。

紙で出せることをツイッターでお知らせした時の反響がすごかったですね。「ああ…やっぱりみんな待っていてくれたんだ…」と、本当に動いて良かったと思いました。

――紙版刊行開始の反響で印象に残っているものや、多かった声がありましたら教えてください。

雷句 それはもう、「ありがとうございます!!」「絶対買います!!」などの声です。すごくたくさんいただきました。

書店員さんがPOPを作りますと言ってくれたり、連載当時のコミックスで、「魔物コンテスト」をやっていたのですが、その受賞者がリプをくれたりもしました。

そして、すごく多いのが、「この調子でクリア編をアニメ化して下さい!!」ですね(笑)。

ガッシュのアニメは原作でいうと、ファウード編で終わってしまったので…(そのファウード編も後半はアニメオリジナルになり、原作とは内容が違います。)こればかりはたくさんのお金が必要になるので、私一人の力では…。

もし、完全版が単巻20万部とか売れ始めたら、なんとかなるかも知れません。でも、新刊ならまだしも、完全版では絶対無理な数字ですよね(笑)。

――完全版は全巻に魔物の子たちがカフェで語らう短編描き下ろしマンガ「ガッシュカフェ」が入っていますが、どのような発想から誕生したのでしょうか。

雷句 完全版の電子データを作ってくれた製版所の方が、「表紙とおまけページを描き下ろしませんか?」と、言ってくださり、表紙は元々描き下ろそうと思っていましたが、おまけページは頭になく、最初は全然乗り気じゃなかったです。だから、その製版の人にも、「良いのが浮かんだら描こうかなぁ…」と、そんな返事をしていました。

でも、考え始めると、読者も喜ぶだろうな…などと、ずっと考えてしまうもので、「おまけページはいつも雷句自身のプライベートを描いていたけど、今のプライベートを描いてもつまらないだろうし、どうしようか…?」と、結構グルグル考えてしまうのですね。

で、当時喫茶店に毎日のように通い、ずっと新作のお話を考えていたので、目の前のコーヒーとドーナツを見ながら、「あ、そうか、カフェやろう」「一度完結して時間も経ってる今の状態なら、不思議な空間にあるカフェで、会話をさせたい魔物同士でお茶させられる」なんて感じで始まりました。

が、ネームを切ると思ったより大変で、2・3Pと思っていたおまけが、10Pくらいになり、これはマズイということで、なんとか7Pに抑えて作っていきました。その7Pも、一人で描くとかなりキツくて、もうずっと後悔しながら描いていました(泣)。

――初版限定のキラキラシールや背表紙、裏表紙のイラストなど紙版での描き下ろしも多いですが、それぞれの制作時に意識されたことはありますか。

雷句 これらの企画は全てクラーケンさんからの依頼でして、私はもう、完全版の表紙とガッシュカフェで疲れ果てていたので、しばらくは絵は描きたくないと、本当に嫌だったのですが(笑)、やはり描いた方が読者は喜ぶし、きっと値段も高くなるからそれくらいはしないとダメだと、頑張って描きました。

シールは見ての通り、ビックリマンシールを意識しています。これはクラーケンさんのイメージを受けてです。で、裏表紙は、「魔物とパートナーの日常」です。読者がまだ見ていない、魔物とパートナーの普段の生活のワンカットを描いています。そうなんですよね…完全版といえど、やはり読者が求めているのは焼き直しではなく、「新しい絵、新しい情報」なんですよね。

――現在スマホゲーム金色のガッシュベル!! Golden Memories」が配信され、先生もプレイされていますが、こちらのゲームのオススメポイントを教えてください。

雷句 オススメは、やると最高に面白く、ハマることです。2回言います。ハマります。自分、カードゲームって難しくてできなかったのです。ガッシュ連載時のガッシュカードも、あれだけ売れて流行ったのに、自分は難しくてプレイできませんでした。

しかし、今度は、カードの効果やダメージの計算、勝敗などを全部コンピューターがやってくれます。しかも、すぐそばに友達がいなくても、ネットで対戦がすぐできるんですよ。この二つでがっつりハマりました。

もちろん、大谷(育江)さんや、櫻井(孝宏)さんなど、当時の声優さんが声をやってくれているのも大いにあります。すごく面白いボイスがたくさん入っていますよ!! 今はビクトリームが最高に弾けています(笑)。

ゲーム自体はとても頭を使うのですが、この「本気の勝負」が、他のスマホゲームにはない奥深さを生み、超熱いバトルができます。ポーカーなどでやる「駆け引き」もかなり必要で、深〜〜〜い読み合いの上、勝負のカードを出し合います。本当に超熱いです!!

ハマる人がもっと増えて欲しいですね。私もちょくちょく対戦してますので、皆さん、私と戦いましょう!!

――最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。

雷句 この紙の書籍の『金色のガッシュ!! 完全版』は皆さんの声で出たようなものです。今まで本当にガッシュを愛してくれてありがとう!!

これからも、ゆっくりとはなりますが、漫画を描いていきますので、また何か出た時は読んでください。ツイッターでたくさんの応援の声が聞けるのも本当に嬉しいです。これからもガッシュをよろしくお願いいたします。

雷句誠(らいく・まこと)プロフィール】

岐阜県出身。『金色のガッシュ!!』で第48回小学館漫画賞少年部門受賞、『どうぶつの国』で第37回講談社漫画賞児童部門受賞。その他作品に『VECTOR BALL』などがある。(WebNewtype)

「金色のガッシュ!! 完全版」の第1巻・第2巻が7月22日に発売!