皆さんの周りに、他人に「内密にね」、「ここだけの話」などと話を持ちかけておきながら、自ら口外してしまう人はいるだろうか。その心理とはいったいどのようなものなのか理解しがたい……。一方のその約束を忠実に守っていた人は、裏切られた気分になるだろうが、その気持ちの切り替え方はあるだろうか。同様に、口が軽い人というのも信用できないが、それを見分ける方法はあるだろうか。「教えて！goo」にも「職場などで口が軽い人はどんな人？」という相談が寄せられていたので、パーソナリティーコンサルタントの横山人美さんに話を聞いてみた。
■「内密に」と言っておきながら自ら口外する人の心理
はじめに、「内密に」と話をする人の心理について聞いてみた。
「シーンによっても異なりますが、そこにはよくも悪くも秘密を共有することで、『相手と親密な関係を築き距離を縮めたい』という心の動きがあります。実際に、イリノイ大学のルース・クラーク博士が行った会話実験では、人は秘密を自分だけに話してくれたという事実から、その人を信頼したり好感を持つという結果が出ています」（横山さん）
人が知らない話をするのは、「自分を認めてもらいたい」という心理があるからのようだ。
「中には、相手の情報を聞き出す目的で、『内密に』と加える人もいるかもしれません。秘密を打ち明けて相手の『信頼と好感』を得られれば、『実は私も……』と、自分の秘密を打ち明けてくれるのでは……と期待するのです。とはいえ、単なる噂好きの寂しがり屋で、誰にでも『内緒だけど……』と話し、自分に注目を集めたいという人もいます」（横山さん）
いずれにせよ身勝手な動機だ。なぜ自ら口外するのだろうか。
「基本的に、『内密に』が口癖のように話す人は、何も考えずに発言していると考えてよいでしょう。あちらこちらで口外するため、自分でも、いつどこで誰に話したかわからなくなってしまうことが多いのです」（横山さん）
自己中心的であり、相手の気持ちを考えない人の言動である。
■裏切られた人の気持ちの切り替え方
忠実に秘密を守っていた人は、「裏切られた」と残念な気持ちになるだろうが、どのように気持ちを切り替えるべきだろうか。
「傷ついたり悩んだりする必要はありません。『内密に』と言われると、いかにも重大事件のように聞こえますが、自ら口外するような話なので、さほど重要な内容ではありません。その話に費やした時間や、大切にした気持ちは残念ですが、思い悩むのは時間の無駄と考え、さっさと忘れてしまうことをおすすめします」（横山さん）
マイナスの経験を繰り返さないための「準備段階」と捉え、気持ちを切り替えるとよいそうだ。
■口が軽い人を見分ける方法
その人にとって大事なことでなければよいが、こちらにとって大事なことを口外する人は更に困りものだ。「口が軽い人と固い人を見分けるにはどうすればいいですか？」という相談も寄せられていたので、口が軽い人を見分ける方法はあるのかも聞いてみた。
「自ら『私、口が堅いから』という人は、口が堅いことをアピールしつつ、相手の情報を聞き出すのが大好き（または上手）という兆候があり要注意です。また、話し上手であり聞き上手で、広く浅い交友関係を持つ人は、一見信頼できそうに見えますが、話の内容が噂話ばかりの場合は、人の秘密を口外する事に罪悪感がない場合が多いため、気を付けましょう」（横山さん）
口の軽い人と深く付き合わずに過ごすには、どのような事に気を付けたらよいだろうか。
「口が軽い人は人の噂話はしても、自分の話はしたがらないことが多いので、逆に質問してみたり、当たり障りのない会話を続けるなどして『この人と話してもつまらない』と思わせ、距離を置いていくとよいです。更に、悪口や噂話、秘密が大好きな人の輪に入らない事を心掛け、話題を振られても安易に同調しないこと。近くで話が始まったら、さりげなく別の場所に移動したり、他の事に集中するのも手ですね」（横山さん）
反対に、口が堅い人にはどのような特徴があるのだろうか。
「噂や秘密に無関心で、自らの意思で行動、判断ができる人が多いですね。群れないため、一見友だちが少なく、協調性がないように見えるかもしれません」（横山さん）
学校や職場で、秘密や噂話に違和感を感じたら、横山さんのアドバイスを思い出してもらいたい。周りの人がどんな人なのかを見分け、よりよい人間関係を築いてもらえれば幸いだ。
●専門家プロフィール：横山 人美
Keep Smiling代表。パーソナリティーコンサルタント、講演・セミナー講師。各種メディア執筆やテレビ出演など多数。前向きな発達障害とのかかわり方を始め、子育てや人間関係の悩みが楽になる心理学を伝えている。
教えて！goo スタッフ（Oshiete Staff）
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