人気コミックスの実写映画化第2弾『東京喰種 トーキョーグール【S】』が公開です。人間を喰らわないと生きられない種族・喰種(グール)と人間とのハーフ主人公金木研(カネキ)を窪田正孝さんが演じる本シリーズで、窪田さんと同じく、前作より続投で喰種の西尾錦(ニシキ)を演じた白石隼也さんにインタビュー



 松田翔太さん演じるカネキを狙う月山習とのバトルが描かれる本作ですが、同時に、喰種でありながら、人間と恋人同士となり苦しむニシキの物語も印象を残します。白石さんに、「ここまで粘って作り上げていく経験は初めてだった」と語る本作について、また、役者デビューから10年を超えた今の心境を伺いました。



◆妹のためにもパート2をやりたかった
――ヒット作の第2弾に続投ですね。


白石隼也さん(以下、白石)パート1を撮っているときにも撮り終わったときにも、絶対に2をやりたいねと話していました。パート1ではニシキは悪者として出てきて、普通の人間なら死んでしまったかのようにフェイドアウトしていきます。実は僕の妹が原作の大ファンで、『ニシキは悪役じゃない!』と憤慨してたんです(苦笑)


 だから個人的な感情からも、妹のためにも悪役ではないニシキを見られるパート2をぜひやりたいと思ってました。今回、彼を語る上ではなくてはならないエピソードが描かれるので嬉しいです」


――ニシキは大きく変化しました。変えたのはやはり人間の恋人・貴未(木竜麻生)への愛ですね。



東京喰種 トーキョーグール【S】』より



白石「そうですね。今作でのドラマ部分は、ニシキと貴未、それからトーカ(山本舞香)と依子(森七菜)が担っています。そこに本物の絆がないと映画自体が薄っぺらくなってしまう。なので、限られたシーンのなかで、いかに貴未との関係性を見せられるか、意識しました」


◆ここまで粘って作り上げていく経験は初めてだった
――教会でのクライマックスが見どころです。続編ではありつつ、そのクライマックスシーンは、窪田さん以外は新たなキャストとの共演ですね。現場の雰囲気はいかがでしたか?


白石「すごく良かったです。今回は監督も、松田さんも山本さんも新しく参加しているので、『またイチから作り上げていこう!』という空気でした。みんなでディスカッションしながら、納得してやれるところまで落とし込んでいきました。ここまで粘ってみんなで絞り出して作り上げていく経験は、僕は初めてでした。主に松田さんが引っ張ってくっださったのですが、こうした先輩がいてくれるのはすごく嬉しいです



東京喰種 トーキョーグール【S】』より



――『GANTZ』『彼岸島』など、漫画原作の作品にいくつも出演されてきました。漫画原作ものを演じることは難しいですか?


「難しいですね。人気の原作であればあるほど難しいです。ファンの方が映画を観たとして、内容は分かっているわけです。本作でも、ストーリーを追っていくのではなく、その整合性を追っていかれる。すごくハードルが高いです。でもそこに囚われて、そこばかり気にしてしまうと、僕ら生身の役者がやる意味がなくなってしまう。


東京喰種』の世界観を伝えたいだけなら、漫画で十分になってしまう。それを実写化するのだから、僕らがやったからこその『東京喰種』が見せたい。そう思って演じました」


◆正直、今はすごく揺れている時期
――役者デビューから10年を超えました。変化を感じますか?


白石「変化しかないです。僕にとって役者は、意図せず踏み入れた世界でした。普通に歩いていて横道にすっと入ってみたら、そちらがメインストリートになってきたというか」



――メインストリートになったのは、自分でそう歩もうとした瞬間があったからですか?


白石「役者の道をと意識したことはなかったのですが、でもどこかのタイミングで、仕事として捉えるようになったのだと思います。以前は、どこか人生経験のひとつとして考えていたものを、自分の仕事なのだからちゃんとやりたいと思いだした。明確なタイミングは分かりませんが、そうした意識の変化はあったと思います」


――役者としても大人の男としても、こうなっていけたらという思いはありますか?


白石今年29歳になりますし、人生を考えるようになりました。現場でも年下の子が年々増えていきます。そうした環境の変化のなかで、迷いも生じます。周りに合わせていったほうがいいのか、でもそれだと自分らしさがなくなるんじゃないかとか。正直、今はすごく揺れている時期ですね。ただ、何事も、中途半端に臨みたくはないと思っています」



――30代以降の白石さんも楽しみです。最後に読者にメッセージをお願いします。


白石グロいのが苦手な人でも、今回は恋愛映画として捉えてもらってもいい作品になっています。それに『東京喰種』の原作は、女性ファンが多いんです。ということは、女性に受ける何かがあるはず。なので原作を知らない人にも楽しんでもらえると思います」


(C) 2019「東京喰種【S】」製作委員会 (C) 石田スイ/集英社


<文・写真/望月ふみ>


【望月ふみ】70年代まれのライターケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。